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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

菅政権崩壊と今後の政局についての私見
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年6月9日発行 第397号 ■     ===============================================================    菅政権崩壊と今後の政局についての私見     ===============================================================  混迷する政局について現時点で一度だけ書いて置きたい。  私には政界事情についての特別な情報などない。しかしこの一週間 に刊行された新聞、週刊誌、テレビなどの政治記事に注意深く目を通 してみて、私なりの見方を固めた。  それはおそらく正しいと思う。  今の政局を言い当てれば、あまりにも政権に固執した菅首相が策に おぼれて自滅し、その後に残ったのは、誰も先が読めない文字通りの 日本の政治の崩壊と混迷時代の突入である、ということだ。  政局が混迷するのは当然である。誰もこのような形で菅政権が終わ るとは思っていなかったからだ。「その後」の準備がなされないまま にいきなり「その後」に突入したからだ。  大連立が頓挫したのは当然だ。政権担当能力のない民主党幹部と 大臣病患者の自民党幹部の茶番劇(舛添要一6月9日東京)であり、 権力から弾き出される少数政党が生き残りをかけて反発するからだ。  だからといって菅首相が再び延命できるかといえば決してそうで はない。辞任圧力は日を追って強まる。  だからといってすぐに後任が見つかるとは思えない。衆目の一致 する政治家がいないからだ。誰がなっても反発をくらう。だから敵の 少ないボンクラが選ばれる可能性が出てくる。野田(6月9日朝日) とか海江田の名前があがるのはそのためだ。  そしてそのような中継ぎ政権ではまた長続きはしない。あたかも かつての自民党の福田政権のごとくだ。  もはや一刻も早く解散・総選挙して出直せといいたいところだが それもなさそうだ。  政治家が被災地のことを思って解散・総選挙が出来ないのではない。 既存政党、政治家の中で、あらたな政党や政界再編の動きが出てこな いからだ。今の状態で解散・総選挙に突入しても誰も勝利を確信でき ないのだ。だから誰も総選挙に踏み込もうとしない。  もっと早い段階で小沢一郎が明確な政策を掲げて新党をつくってい れば、仮に小沢について来る者が少なくても、世論の反発があっても、 政局の主導権を握ることが出来たと思う。  それを私は側近を通じて何度も伝えた。小沢一郎に会わせて欲しい と何人かの小沢に近いとされている政治家に申し入れた。しかし何の 反応もなかった。  亀井や田中康夫の動きは不純である。それを私は知っている。彼ら の動きでは政治は正しい方向には向かわない。  今度どのような形で、誰が政権を取ろうとも政治は、安定しない だろう。  より深刻なことは、今の日本が抱えている問題があまりにも大きく 深刻であるということだ。  少子高齢化の進む中で財政赤字削減にめどがつかず、財源確保の 名の下に国民への負担増ばかりが進む。ただでさえ深刻なところに 震災復興と放射能汚染だ。  メディアがまったく政局を語らなくなった。いまさら菅首相を担ぐ わけにはいかない。ましてや小沢一郎に期待するわけにもいなかい。 自民党の復活はとうにあきらめた。だからといって菅政権の共犯者で ある仙谷や枝野や岡田や前原を担ぎだそうとしてもうまく行かない ことを知っている。  だからあれほど菅民主党政権を支え続けたメディアは静かだ。  みのもんたに象徴されるテレビ報道の無責任さは、いまでは政治は 何をやっているのか、政治家の数を減らせ、被災民のことを考えろ、 などとしか言わなくなった。  そんなことは国民がとっくの昔に言って来たことだ。  政治評論家も解説者もまた困っている。仕事がなくなりつつある。 しょせん彼らは政治も政策もつくれないのだ。  政治改革は我々の手で地方から起こすしかない。「もう一つの日本」 をつくるしかないのである。  それは必ずしも私の主張する方向とは一致しない流れになるかも しれないが、中央政権に反旗を翻す動きという一点で微かな期待を 抱かせる。  大袈裟に言えば、政治は壊れた。  日本の政治は戦後66年の日本の政治史のなかで、いまもっとも 大きな転換期に差し掛かった。  それにしてもと思う。  最後まで主戦論を唱え続けた伸子夫人に尻を叩かれた菅首相を(週刊 新潮6月16日26ページ)、誰も引きずり降ろすことは出来なかった。  それがあっと言う間に菅辞任となった。  その主役は菅直人と鳩山由紀夫であり、すべては菅・鳩山会談とその 結果の合意文書作成の顛末から始まった。  この顛末は、ずるい菅が宇宙人鳩山を騙し、自民党や公明党や小沢 一郎が馬鹿を見たとされている。  表面的にはそうだろう。  しかしいくら巧妙な言い方で辞任をほのめかしたとしても、それを におわせた時点で菅首相は大きな間違いを犯したのだ。  各紙が一斉に「菅首相辞任」を流したからだ。  それを見て慌てた菅首相は辞任を否定したが後の祭りだ。  各紙は誤報を認めない。騙されたと認めない。一旦辞任と報じればも とには戻らない。  騙された鳩山由紀夫のペテン師発言がその流れに輪をかけた。  宇宙人の怒りの激しさが嘘つきは菅だと世論に思わせた。  私は菅首相がウソをついたとは思わない。鳩山由紀夫を騙したとは 思わない。  会談は平行線だったのだ。 平行線だったけれども決裂で終わらせ るわけには二人ともいかなかったのだ。  その結果が同床異夢の文書作成であったのだ。  世の中によくある話である。  ところが宇宙人である鳩山由紀夫にはそれが通用しなかったのだ。  菅首相は辞任すると言ったと思い込んでそれをメディアに流し、 菅首相が辞任を否定するとペテン師であると怒った。  菅首相はこれに負けたのだ。  世間では宇宙人と呼ばれてあきれられる鳩山由紀夫が、実は誰も できないものすごいことをやったのだ。菅首相をあっと言う間に引き ずり降ろしたのである。  今度の主役は菅首相と鳩山由紀夫と言う民主党を作った二人である。  その二人の前には、小沢も仙谷も谷垣も岡田も、ましてやメディア や政治評論家などは脇役に霞んで見える。                           了

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