□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年5月30日発行 第375号 ■ =============================================================== 菅首相辞任必至のもう一つの理由 =============================================================== それが的を得ているかピント外れかはともかく、誰も書かない事 を書いている記事はそれだけで注目したくなる。 今日(5月30日)発売の週刊大衆6月13日号の「永田町かわら 版」という政治コラムにこういう記事があった。 民主党の長老がこう言ったという。「粘り腰の菅クンも、6月20 日前後には辞任する」、と。 この言葉から誰もが想像するだろう。6月には不信任案決議が提出 され、それが可決されればもとより、たとえ否決されてもゴタゴタは さらに激化する。政局混迷から菅首相は辞任せざるを得なくなるだろ う、と。 ところがその長老の言う事は違う。菅首相がウソをつき、そのウソ が世界にばらされるからだというのだ。 すなわち6月20日にはウィーンで国際原子力機関(IAEA)の 閣僚会議がありそこでIAEA調査団の報告書が提出される。その 報告書には海水注入冷却を止めようとした菅首相の判断と、そんな 事を言っていないというウソが明かされる。そんなことになれば日本 は大恥をかくことになる。その前に菅首相は自発的に辞めるだろうし、 たとえ辞めなくても報告書が出た後には辞めざるを得なくなるだろう、 いずれにしても菅首相は6月20日頃までだ、というのだ。 IAEA報告書と菅首相の辞任を結びつけて論じる記事を目にした のははじめてだ。 私はIAEA調査団の報告書ぐらいでは菅首相は辞めないと思う。 しかし6月20日に国際原子力機関の閣僚会議に提出されるIAE A調査団の報告書は極めて注目されることは間違いない。 その調査報告書の内容は、たとえ外交的に表現が穏やかなものにな ろうとも、そして事前に菅政府に通報されその表現振りにIAEA調 査団との間で多少の調整がなされようとも、日本にとって厳しいもの となるに違いない。 国民はあらたな情報に接し、こんないい加減なことが行なわれてい たのか、と思い知るに違いない。 菅首相が辞めようが辞めまいが、6月20日に提出されるIAEA 報告書から目が離せないのである。 了
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