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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

 オスプレイ配備をかくもあっさりと決めてしまう絶望的な菅首相
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年5月15日発行 第337号 ■     ===============================================================   オスプレイ配備をかくもあっさりと決めてしまう絶望的な菅首相  ===============================================================  沖縄はどうにもならない。もはや独立するしかない。  かつて菅首相はこう嘯いたと喜納昌吉がばらしたことがあった。  オスプレイという米型垂直離陸輸送機の沖縄配備を菅政権が容認 する方針だということを5月13日の報道で知った時、私はわが耳 を、そして目を疑った。  と同時に菅首相ではやりかねないとも思った。  事故続発で米国でさえ危険視されている欠陥輸送機の配備を、沖縄 住民の安全第一と繰り返す政府ができるはずはないだろう。オスプレ イ配備の結末から目を離すな。そう私はメルマガでも何度も書いて来た。  いまこそその時だ。  私は今回のオスプレイ容認の政府方針については少し様子を見てから 書こうと思った。  メディアはこれをどう解説するのか。沖縄の反応はどれほど激しい ものなのか。しかも沖縄返還記念日は5月15日だ。よりによって その直前に政府は決めたのだ。  ところがそれから二日たって、少なくとも全国紙やテレビはまったく オスプレイ配備について報じない。  沖縄返還日である今日(5月15日)の各紙は、この日が沖縄施政権が 日本に返還された日であることさえ報じない。  だからもう書いていいだろう。もはや沖縄は見捨てられてしまった かのようだ。  菅政権からも、メディアからも、そして護憲政党である社民党や 共産党からも見捨てられたかのようだ。  社民党や共産党は何をしているのか。震災国会が開かれていたでは ないか。オスプレイ配備について政府を糾弾し、方針の撤回を求めたの だろうか。少なくともそういう報道はない。本気で沖縄の為に怒った様子 はない。  それにしても菅民主党政権はひどい。かつて米軍がオスプレイを配備 すると日本政府に言ってきた時、それを問われた当時の岡田外相はそん な話は聞いていないとぼけた。今度の決定はだまし討ちではないか。  しかもその決定を急いだ理由がさらに噴飯ものだ。米側の機種交代の 期限が近づいているから容認の方針決定を急いだという(5月13日東京 新聞)。  辺野古移転が決まればそこへの配備なら少しは危険が減るからいいだ ろうと思っていたが、米議会の反対で白紙になりそうだからもはや待っ ても仕方がないと踏み切ったという(同上)。  どこまで対米従属に徹するつもりだろう。いくら米国にゴマをすって も米国に評価してもらえないというのに。  この方針は菅首相が枝野官房長官と北沢防衛大臣、松本外務大臣を 官邸に呼んで協議し、決めたという。なるほどと頷ける。  枝野官房長官はいまや菅首相の言いなりだ。北沢防衛相はいまや菅 首相がもっとも信頼する閣僚だという。仙谷や前原と違って裏切ること はしないからだという。実力のない松本外相はいまや北沢防衛相に怒鳴 られっぱなしだという。その北沢はこれ以上ないほど防衛官僚の言い なりだ。米国の言いなりだ。  枝野官房長官は5月13日の記者会見で、仲井真沖縄県知事が「街の 真ん中であんな危ないのを運転されたらかなわない。論外だ」と批判 したことを聞かれ、次のように述べたという。  「そういう発言をされたことはテークノートしておきたい」  この官僚的発言はなんだ。沖縄を馬鹿にした発言はなんだ。  仲井真知事は反対姿勢を崩してはならない。  菅政権4人組の決定など沖縄住民の怒りで白紙撤回させなければ ならない。                            了

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