□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年4月27日発行 第304号 ■ =============================================================== 松本外相の外遊を奨励する読売新聞社説の大きな間違い =============================================================== 最近の大手新聞の社説の劣化と政府追従振りについては今更驚き はしないが、4月27日の読売新聞の社説には驚いた。 大型連休中に松本外相が外遊する事を与野党が容認した事を歓迎 してこう書いている。 国会審議の都合で首相や閣僚が外国訪問を中止し、日本の影響力を 弱めて国益を損ねる。そんな長年の悪弊をもう断ち切る時である、と。 なんという誤った社説だろうか。 首相や閣僚が本当に出席しなければならない外遊であれば、これ までも認められてきた。 いつも問題になるのはその外遊が文字通り外遊であるからだ。 国益を追求するどころか壮大な税金の無駄遣いが問題なのだ。 日本が連休の時は政治家も休みだといわんばかりに、連休時に無理を して外遊の計画を官僚がお膳立てする。 これこそが悪弊なのだ。 ましてや大震災の復興の為に増税やむなしという時期だ。 連休であれ、国会審議中であれ、無駄な外遊は控えなければいけない のだ。 訪日したばかりのクリントン米国務長官と会談するための訪米や、 アフリカ開発会議のフォローアップ会合などという会合がどれほど重要 なのか。外務大臣の松本氏がなぜベルギーの貿易相と会談する必要が あるのか。 読売新聞はもっと勉強してからまともな社説を書かないと私だけでなく、 誰からも相手にされなくなる。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)