□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年3月25日発行第201-2号 ■ ================================================================== 津波も原発事故も関係なく日米同盟深化だけは進む ================================================================== 津波被災や原発事故についての報道ばかりの中で、それらと無関係 の報道を探すのは容易でない。 しかしその中にも重要な記事はある。 それどころか、それらは、津波被災や原発事故が起きていなければ 大きなニュースとなって報道されていたに違いなかった記事である。 3月25日の朝日新聞が小さく次のように報道していた。 日米両政府は5月の大型連休中に開催を予定していた外務・防衛担当 閣僚会合(2プラス2)を米側の都合で4月29日にワシントンで開催 する方向で調整に入った、と。 そこで発表される合意文書には、大震災に対する米軍支援を受けて 災害時の日米協力の重要性を確認するとともに、2005年の日米共通 戦略目標を見直し、中国の海洋進出を念頭に置いた日米協力を明記する 事が検討されている、という。 そして2プラス2の後には菅首相の訪米を6月下旬に実現する方向で 調整を進めるという。 この小さな報道が言っている事は、津波も原発事故も関係なく、いや 津波や原発事故により日米協力の重要性がより確認されたからこそ、 日米同盟の深化も進めなければならないという事だ。 それが米国と外務官僚の日本国民に対するメッセージである。 危ぶまれていた菅首相の訪米も実現可能になってきた。 大震災のニュースの影に隠れているがこの記事の意味するものは大きい。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)