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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

菅首相、前原外相に助言する
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年3月6日発行 第161号 ■    ==================================================================   菅首相、前原外相に助言する                 ==================================================================  3月6日の主要紙が報じる前原外相の外国人献金疑惑の記事を くまなく読んだ。  そしていま自分がその立場であるのなら、ためらいなくそうする だろう。それが最悪の状況の中での最善の方法だと考える。  その事について書きとどめておきたい。  菅首相、前原外相に批判的な私からの善意の助言である。  それは、前原外相は一刻も早く外相辞任を申し出て、それを菅首相 は断腸の思いで了承する、ということだ。  私は3月4日の参院予算委員会の質疑を聞いていて、前原外相は 覚悟したなと感じていた。  その日の夜にでも辞任を申し出て、それを菅首相が了承し、新しい 外相を任命する、そうすべきだと思っていた。  ところが、6日の各紙を見れば、前原外相は、福田康夫元首相も 北朝鮮系の企業から献金を受けていたにも関わらず続投した事を引き 合いに出し、「自民党が批判するなら、福田さんの時はなぜかばった のか」などと未練がましく反論している(5日の記者会見)。  前原氏は十分に調べた上で首相に報告して判断を仰ぐといい、菅 首相はそんな前原氏を慰留しているという。  驚くべき判断ミスだ。  この問題は徹底的に追及される。  追及されれば他にもどんどんと新たな事実が出てくる。  場合によっては福山哲郎など京都の子分たちにも関係してくる。  報じられるところによれば前原首相は確信犯だ。  献金した在日外国人との関係は深く、長い。  それを本人は国会で明確に認めている。  なによりも、そしてこれは決定的に重要なことであるが、前原氏は 現職の外務大臣である。  3月6日の読売新聞は前原外相の外国人献金問題を大きく報じた 記事の下に、中国の国防予算増大を懸念し、北方領土4島返還を強く 求める、次のような記事を掲載していた。大いなる皮肉だ。  「(中国の国防予算拡大を)深刻に懸念を表明せざるを得ない。 永遠の軍拡競争が行なわれることになるとしっかり伝えなければなら ない」、「(北方領土は)100%返してもらうまで頑張るのが 重要だ」。  誰がこのような言葉をまともに受け止めるだろう。もはや前原 外相では力強い外交はできない。  そして前原外相にとって致命的なのは、米国が前原氏を後押しして いるという、これまで当然のように語られていたメディアの評価に 疑義が出てきたことだ。  小泉訪朝の例を想起するまでもなく、そして古くは田中角栄の訪中 の例が示すように、米国は自らの国益に反する外交を進めようとする 日本の指導者を許さない。  米国は前原外相に大きな留保を付す事になるだろう。  いや、米国の事だから、その情報は十分につかんだ上で前原外相を持ち 上げ、利用していたに過ぎなかったのかも知れないのだ。  私は菅民主党政権に批判的だから言っているのではない。  菅首相、前原外相のためを思って助言のつもりで書いている。  菅民主党政権の将来はこの問題を別にしても極めて困難な状況に あるが、この問題を長引かせることは政権の寿命をさらに縮める事に なる。  前原外相が政治家として再出発したいのなら、この際は一日も早く 進んで辞任を申し出るべきだ。  菅首相が一日でも長く首相にとどまっていたいのなら、菅首相はそれを 慫慂し、新しい外相を任命して再出発することだ。  「責任を取らなければいけないというほどの問題ではない」(石井一 選対委員長)とか、「いちいち大臣を辞めなければいけないと、結び つけることが果たして適切なのか」(岡田幹事長)などというとぼけた 連中を相手にしているようでは、菅民主党政権はいよいよ終わりである。                               了

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