「中国は反イスラムだ」という西山太吉氏の発言について書いた 2月14日のメルマガ第103号について、読者から参考になる メールが寄せられましたので、以下の通り他の読者と共有したいと 思います。 引用はじめ 反イスラムに関する米中協力について、このような事実があります。 2001年のアフガン侵攻後、多くの人々が北部同盟によって アメリカ軍に売り渡され、アメリカはそういった人々を「敵性戦闘員」 としてクァンタナモ基地に不当・違法に拘束しました。 アメリカの中東政策に忠実だったブレア英首相ですら、グァンタナモ で拘束されたイギリス国籍の市民の帰国に尽力し、帰国を実現させまし たが、自国民の保護のために指一本上げなかった政府が2つあります。 それは、オーストラリアと中国です。 オーストラリアの場合は、拘束されたのはパキスタン系オーストラリア 人のマムドゥー・ハビーブ氏と、アデレード出身のデイヴィッド・ヒッ クス氏です。ハビーブ氏は、3年半の拘束の後、まったくテロとは無関係 の冤罪だったとして釈放され帰国。タリバンの訓練に参加していたといわ れるヒックス氏は、2007年まで拘束された後、選挙対策にヒックス 氏を帰国させることが必要となったオーストラリア政府が米政府を動かし て司法取引を持ちかけ、微罪を認める代わりに有罪判決を受けてオース トラリアに移送され、2007年12月までアデレードに収監されていま した。 中国籍で拘束されていたのは、ウイグル(トルキスタン)人です。 オバマ大統領がグァンタナモ基地の収容所を閉鎖しようとしたときに、 行き先に困ったのがそのようなウイグルの人々で、おそらくテロとは まったく無関係で中国政府の都合で拘束されている人々が多いのでは ないかと推測されます。 上記のハビーブ氏は、2008年に手記を出版していますが、その中で エジプトで尋問(拷問)された際、当時情報機関の長官だったオマール・ スレイマン現副大統領が、情報相として自ら尋問(拷問)に立会い、 ハビーブ氏から証言を引き出させるために、目前で「用済み」(ハビーブ氏 によるスレイマンの言葉)トルキスタン人を撲殺させたと書いています。 引用終わり
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)