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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

司法制度改革はアメリカの思惑だったと公言した元公安調査庁幹部 
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年1月29日発行 第61号 ■    =============================================================  司法制度改革はアメリカの思惑だったと公言した元公安調査庁幹部                    ==============================================================  私はさる1月27日、経営者たちの勉強会に呼ばれて「どうなる今年 の日本と世界」と題して話をした。  私が呼ばれて話をする場は、反戦、平和集会と相場が決まっている。  しかし極めて稀ではあるが経営者たちの勉強会にも呼ばれる。  そこで私が何を話したか、どういう議論がなされたかは、実はたいした ことではない。  しかし私はそこで思わぬ発見をした。  それを読者の皆さんに共有させていただきたいのである。  参考のためにと手渡された会報誌の最新号に、前回(2010年12月 3日)の勉強会で講師を務めた菅沼光弘元公安調査庁部長の講演要旨が 掲載されていた。  それを読んで驚いた。  彼は日本の司法制度はすべて米国に支配されてきた、と皆の前でしゃべって いるのである。  2010年12月3日に行われた講演であるというから極めて最近の事だ。  その勉強会の事務局長に尋ねて見たら、会員制の集まりであり、公開しない から大丈夫ですよ、という返事が返ってきた。  そうである以上、私がその会報誌に掲載されている菅沼氏の講演内容を他言 することは出来ない。  しかし少なくとも次の事だけは私のメルマガの読者に伝えても許される だろう。  かれはこう断言しているのだ。  法科大学院の設立、裁判員制度の導入、など、現在推進されている司法制度 改革のすべては、日本の方針ではなくアメリカからの要求によるものだ、と。  郵政民営化をはじめとする金融制度改革も含め、アメリカが毎年日本政府に 提出する「年次改革要望書」を、小泉内閣時代から忠実に守って実施し続けて きた結果に過ぎない。その仕上げが司法制度の改革であり、今日の日本の司法 の劣化はそこに帰結する、と。  これは凄い発言だと思う。   日本の政治家、官僚は米国に占領されたままだ、すべては米国の陰謀だ、 このような見方は、今では巷間に流布されるようになった。    しかし、それらはいずれも根拠が確認できない民間人の言論である。  それに比べ菅沼氏は公安調査庁に35年間勤務してきたキャリア官僚で ある。  しかも公安庁は法務省の外局だ。  公安庁は対外情報活動機関だ。  いくら現職を退いたといえども、いくら会員制の集まりであるとしても、 その菅沼氏がこのような発言をすると言う事はよほどの確証があっての ことに違いない。  言うまでもなく正義は最終的には司法の場で実現される。  その司法制度が米国の思惑通りつくられ運用されるとしたら、この国の正義 は米国によって実現されるということだ。  小沢一郎の強制起訴した検察審査会もまさしく2年前の司法制度改革の過程 で権限強化されている。  下級裁判所の下した判決が上級裁判所で逆転する。  しかもその逆転はほぼ間違いなく権力側、米国側に有利な判決となる。  この事と菅沼氏の発言は決して無縁ではない。                                了     

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