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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

仲井真知事を褒めて、褒めて、褒めまくろう  
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年1月22日発行 第42号 ■    =============================================================   仲井真知事を褒めて、褒めて、褒めまくろう         ==============================================================    かつて褒め殺しという言葉がはやった。  その意味がどういう意味かは正確には知らないが、褒めそやす 事によってその気にさせる。そうして目的を達成する。そういう 意味であれば、いまこそ仲井真知事を褒めまくりたい。  民主党幹部は、ルース駐日大使詣でに忙しいかと思えば、今度は 沖縄だ。  1月22日の朝日新聞が書いている。昨年暮れの菅首相の訪問から 始まって、1月21日の枝野官房長官の訪問で五人目であるという。  なんの目的でかくも頻繁に沖縄を訪れるのか。  それは沖縄県民に誠意を尽くすということである。  誠意を尽くして話せばわかってもらえるという事である。  しかし、その実態はアメと鞭で沖縄県民を追い込む事である。  ある時は負担軽減をいい、ある時は経済振興策をいい、ある時は米 戦闘機の訓練移転をいい、そしてある時は「辺野古移転は国が決めた日米 合意」だ、と脅かす。  しかし、今日のメルマガで言いたいことは、そのような民主党政権を 批判する事ではない。  民主党幹部の誰が沖縄を訪れようと、民主党幹部がどのような表現で 沖縄を説得しようと、微動だにしないことがある。  それは仲井真知事が沖縄の対応は「県外移転しかない」と一貫して言い 続けている事だ。  結論から言うと、この言葉こそ、普天間問題解決のキーワードである。  仲井真知事がこの姿勢を変えない限り米国とそれに追随する日本政府は 引き下がるしかないのだ。  繰り返して書いてきたように、普天間問題の本質は、移転問題ではない。  沖縄にあらたな飛行場をつくらせるかどうかである。  普天間から海兵隊が撤退することと辺野古に新飛行場の建設を行なうこと。  このまったく別個の二つの問題を、米国の謀略によってパッケージにさせ られた。  そしていつの間にか普天間代替飛行場という言葉がメディアに定着した。  そのために、我々国民は、海兵隊がグアムへ移転するのだから辺野古に 代替飛行場を認めざるをえない、と思い込まされてしまった。  しかし米国の目的はあくまでも辺野古に新飛行場をつくる事である。  沖縄県民にとって認めてはならないことは、辺野古に新飛行場と言う 名の新基地をつくらせることである。  嫌なら米海兵隊は普天間に残る事になる、と日本政府は沖縄県民を脅かす。  しかし、それはウソなのだ。  海兵隊はもはや世界一危険な普天間には居残れない。  米国がそれを嫌っているのだ。居残ってこれ以上事故が起きれば今度こそ 沖縄県民の怒りが爆発する。  ヤンキーゴーホームという国民感情が全国に広がるおそれがある。  そうなれば日米同盟の危機になる。  おまけに米軍はオスプレーという世界で最も危険な戦闘輸送機を沖縄に 配備したい。  どうしても安全な場所に、新しい最新型飛行場を、日本の経費負担で つくる必要がある。  それが辺野古へつくる新飛行場なのだ。  海兵隊が普天間から出て行こうが、その行き先がグアムであろうが、 そんなこととは関係ないのである。  辺野古に新しい米軍のための飛行場を認めていいのかということなのだ。  沖縄は、少なくともこれ以上沖縄には新基地をつくらないでくれ、と言い 権利はある。  オスプレーが飛来するような新飛行場を受け入れる地域は日本国内どこ にも出てこない。  米国はもはや日本に新しい飛行場はどこにもつくれないのだ。  仲井真知事はそれを言い続けているのである。  周知のように仲井真知事は条件付辺野古容認論者だった。  それが選挙途中で県外移転を訴えるようになり、その公約で勝利した。  当時私はそれを批判的に見てきた一人だ。  日米同盟に正面から反対を唱える伊波前宜野湾市長を応援したものだ。  しかし今は違う。  豹変して辺野古県外移転を唱える仲井真知事に期待する。  ぶれることなく選挙公約である「辺野古県外移転」を一貫して政府に言い 続ける仲井真知事を、褒めて、褒めて、褒めまくる。  その事によって仲井真知事が二度と条件付容認論に戻れなくさせる。  仲井真知事は沖縄県民に選ばれた手前、いまさらその言を変える訳には いかないだろう。  いや、最近の仲井真知事を見ていると、彼は本気で県外移転を貫いている ように思えるほどだ。  人間は変わる。今の仲井真知事は真の沖縄県民の代表となった。  沖縄県民よ。そんな仲井真知事を褒めて、褒めて、褒めまくれ。  そして仲井真知事と一体になって、辺野古にはいかなる理由、如何なる 条件があっても新飛行場をつくらせないという姿勢を貫き通して欲しい。  その事が日本を変える。米国を変えることになる。                          了

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