□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年1月21日発行 第39号 ■ ============================================================= 「漁業会社だけを処分して済まされる問題ではない」と書いた産経社説 ============================================================== 驚いた。産経新聞と私の考えが一致した。 1月20日の産経新聞の社説は、私が書いた1月19日のメルマガ 第36号「北洋漁業4社の裏金漁獲事件をどう考えればよいか」と まったく同じ事を書いたのだ。 もちろん産経新聞の社説は、「北方4島の不法占拠を忘れるな」という 見出しを掲げてロシアの横暴を批判するところに力点がある。 北方領土返還に無策な政府を批判するものである。 しかし、「漁業会社だけを処分して済まされる問題ではない」と言う ところは私のメルマガの趣旨とまったく同じである。 いわく、裏金を受け取っていたロシアの警備当局は共犯関係にある。 日本は抗議の意思を示すべきだ、と。 いわく、決められた漁獲量を守っていては、漁業者は生活が保障されない と訴えている。割当量の増加に向けた外交努力も求められる、と。 いわく、近年、ロシア側の四島周辺での横暴は目に余るものがある。 平成18年(日本の漁船が)銃撃を受け、乗組員一人が死亡、船長らが 連行された。昨年1月には日本漁船がロシア国境警備隊のヘリコプター から銃撃されている。 今回、発覚した裏金問題もこれらの事件とは無関係ではあるまい、と。 いずれも私が言いたいことだ。 日本国民であれば誰も反対しない意見だ。 他紙が沈黙する中で、漁業者を守れという産経の社説を私は評価する。 おまけに1月21日の報道では、ロシアの閣僚や国防次官が続々と国後島 に入って本格的に領土化しようとしている、と伝えている。 政治主導といいながら一向に政治力を発揮できない日本政府を批判したく なるところまで私は産経と同じ考えになってきた。 願わくば、産経新聞には、中国たたきや、核武装出張を止めて、 「憲法9条こそ最強の安全保障政策だ」という真実に気づいてもらいたい。 了
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)