□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年10月1日発行第122号 ■ =============================================================== 菅民主党政権を追い込もうとしない大手メディア =============================================================== 私のように、どこの政党、政治家、組織からも利害関係のない立場で毎日 新聞やテレビの報道をウオッチしている者にとってはよくわかる。 今の大手メディアは明らかに菅民主党政権を応援している。 応援とまではいかなくても、菅民主党政権が今倒れてしまっては困ると いわんばかりに菅たたきを控えているごとくだ。 その理由が、単に小沢復活をおそれての事なのか、もっと深い理由があるの かは知らないが、とにかくそうだ。 その証拠のひとつが国会運営についての論調だ。 例えば大手新聞の社説は、問題が山積している今こそ与野党が協力して 難局を乗り切れというものばかりだ。これは部分連合や与野党協議を繰り返す 菅民主党政権の擁護にほかならない。 もう一つは尖閣諸島問題での中国たたきだ。 これほどまでに無策の菅政権の対中政策にもかかわらず、それを社説で批判 することはしない。中国の高圧的な態度を批判し、中国が軟化してきたといい、 中国は国際的評判を落とした、などと書く。アジアのほかの国は中国の領土 拡大を警戒している、などという報じる。 それが事実であり、正しい現状分析であれば文句は言わない。 しかし必ずしもそうではない。 10月1日の読売新聞は、台湾の行政院(内閣)が、9月29日、尖閣諸島 問題で台湾は中国と領有権をめぐる争いは存在しないという声明を発表したと 小さく報じていた。 これはもっと大きく報道すべき情報だ。 アセアン諸国が抱えている中国との領土問題をめぐる記事もそうだ。 日本の報道が報じる程に、アセアン諸国は中国と敵対してまで日本と一緒に なって中国と領土争いなどする気はないに違いない。 10月1日の朝日のように、南シナ海で中国との領土問題を抱えるアセアン 諸国は「尖閣問題はひとごとではない」と見出しをつけて報じるのは大げさだ。 菅首相が9月30日の予算委員会の集中審議で答えたという、「ASEMに 出席して領土問題を訴えてくる」というのは的外れ外交なのだ。 大手メディアが菅政権を擁護している証拠のきわめつけは世論調査をまったく しなくなったということだ。 民主党代表選挙のときはあれほど頻繁に世論調査を繰り返し小沢たたきを 続けたというのに、これほど大きな外交問題が起きても世論調査をまったく しようとしない。 そう思っていたら産経新聞がだけが世論調査らしきものを書いた。 10月1日の紙面で尖閣諸島沖衝突事件について民主党政権の対応を評価 するかどうか、という読者調査を行なった結果を掲載していた。 それによると評価する14%、評価しない86%となっていた。 これは想定通りだ。圧倒的国民が今度の菅・仙谷政府の対応はおかしいと 思っているのだからこの数字は頷ける。 ところがこの種の世論調査で必ず出てくる「菅政権を支持するか、しないか」 という項目がない。 菅民主党政権の支持率が下落している事がわかったら菅政権の足を引っ張る 事になり大変だ、といわんばかりである。 私は、中国漁船問題への対応に圧倒的に不満を持っている国民は、それでも 菅政権を支持するという態度を示すと思っている。 大手メディアは早く世論調査を行ったほうがいいのかもしれない。 了 おしらせ 1.日経ビジネスオンライン9月29日に私の「新防衛計画の大綱私案」 が掲載され反響を呼んでいます。 オンラインはこちらでお読みいただけます。 http://business.nikkeibp.co.jp/ 2.ベンジャミン・フルフォードと天木直人の共同講演会のお知らせ 「天木直人のメールマガジン」が大好評の 反骨の元外交官天木直人氏を お迎えし、ベンジャミン・フルフォードと共に日本の現状について(尖閣 諸島での漁船衝突問題の裏事情や本質の問題、民主党の内部構造、小沢一郎 問題、国策捜査、対米従属型外交、新しいメディアを立ち上げる必要性等) 及び世界の最新裏情報や現状の権力支配構造についてたっぷりとお伝えします。 そして皆さまに日本を良くする処方箋を提言していきます。 テーマ:民主党政権に任せたら日本はどうなる?今すぐ日本を良くする処方箋 (構成: 天木直人講演、ベンジャミンフルフォード講演、ベンジャミンVS 天木氏による対談、質疑応答) 日時: 2010年10月9日(土) 14:00~17:00(受付は13時 半からです) 場所: 千駄ヶ谷区民会館 2F (東京都渋谷区神宮前1-1-10) アクセス: JR山の手線 原宿駅「竹下口」 徒歩6分 費用: 3000円 (学生2000円) 申し込み方法: 氏名、連絡先 、参加人数、支払い方法(持参又は振込み)を 明記の上、 メール(benjaminoffice88@gmail.com)にてお申し込み下さい。 お問い合わせ: ベンジャミンフルフォード事務所 (benjaminoffice88@gmail.com) ※当日費用をご持参の方はお釣りのないようにお願いします。 ※講演会費用は会場レンタル代やホームページ運用代、ベンジャミン フルフォード活動費用に充てさせていただきます。 了
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