□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年10月1日発行第121号 ■ =============================================================== 大企業の要求に屈する菅民主党政権 =============================================================== 今回の中国漁船船長の突然の釈放の背景には、フジタ職員4人の身にもしも の事があったら菅政権はもたないということと、これ以上中国との経済活動に 悪影響を及ぼしてくれるなという財界からの圧力があった、などとしきりに 書かれるようになった。 その真偽はいずれ明らかにされるであろうが、経済界からの圧力に関しては 大いに有り得る事だと思っている。 この国の政治は大企業に反対されれば持たないのだ。ましてや「市民活動家 あがりの首相」とか、「赤い官房長官」などと言われる菅民主党左派政権に とっては、自民党以上に財界に気を使わなければならないのだろう。 その証拠が原発の海外売り込みであり武器輸出三原則の修正の動きであり、 法人税引き下げであり、円高介入なのである。 これは、いいとか悪いとか一概に言える話ではないのだが、企業の論理は 金儲けである。 かつて私がアフリカ担当課長の80年代半ば、南アフリカ白人政権に対する 日本企業の経済活動自粛を要請した事があった。 その時の財界の反発は物凄いものがあった。中には黒人の命より会社の生き 残りのほうがはるかに重要だと、私に面と向かって言い放った大手企業の幹部 がいた事を今でも鮮明に覚えている。 その幹部の資質を個人的に云々するというよりも、それが企業の論理なのだ。 企業人である限りその論理に従うほかはない。正義との間のジレンマだ。 今度の中国人釈放問題にしても、起訴方針を決定していた検察に対し、金儲 けをしなくても税金で生きていけるあいつらばかりが正論を振りかざす事は 許せない、と財界がねじ込み、学生運動家から現実主義者に転向した仙谷 官房長官がそれに応じた、というシナリオがあっても決しておかしくはない。 ところがその企業が損得抜きで従う相手がある。それが米国だ。 「日の丸油田」の象徴とも言われてきたイランのアザデガン油田からの撤退が 決定的になったようだ。 これまでにも米国は日本企業がイランと取引することについて牽制を繰り 返してきた。このアザデガン油田開発もその一つだった。 しかし、独自の油田開発権益を持つ事は日本経済の生命線だ。国策だ。おまけ に石油事業は金儲けの筆頭事業だ。 だからこそ日本企業も資源エネルギー庁もぎりぎりまで事業継続にこだわり 続けた。 しかしイランの核兵器保有を絶対に許さない米国はイランへの経済制裁を 本格化させ、本気で日本に圧力をかけてきた。 ここに至って日本企業は米国の圧力にあっさりと屈する事になる。 中国の圧力にはあれほど反発するのに、米国の圧力には他に打つ手はない。 しかも日本が撤退する隙間をついて中国がその利権を穴埋めするというのに、 である。 金儲けという企業の生命線を失ってまでも対米に従属する日本企業。 日本の政治に劣らず日本企業もまた対米従属を何よりも優先させる。 菅・仙谷民主党政権が対米従属政策を続けりかぎり政権は安泰なのである。 了 おしらせ 1.日経ビジネスオンライン9月29日に私の「新防衛計画の大綱私案」 が掲載され反響を呼んでいます。 オンラインはこちらでお読みいただけます。 http://business.nikkeibp.co.jp/ 2.ベンジャミン・フルフォードと天木直人の共同講演会のお知らせ 「天木直人のメールマガジン」が大好評の 反骨の元外交官天木直人氏を お迎えし、ベンジャミン・フルフォードと共に日本の現状について(尖閣 諸島での漁船衝突問題の裏事情や本質の問題、民主党の内部構造、小沢一郎 問題、国策捜査、対米従属型外交、新しいメディアを立ち上げる必要性等) 及び世界の最新裏情報や現状の権力支配構造についてたっぷりとお伝えします。 そして皆さまに日本を良くする処方箋を提言していきます。 テーマ:民主党政権に任せたら日本はどうなる?今すぐ日本を良くする処方箋 (構成: 天木直人講演、ベンジャミンフルフォード講演、ベンジャミンVS 天木氏による対談、質疑応答) 日時: 2010年10月9日(土) 14:00~17:00(受付は13時 半からです) 場所: 千駄ヶ谷区民会館 2F (東京都渋谷区神宮前1-1-10) アクセス: JR山の手線 原宿駅「竹下口」 徒歩6分 費用: 3000円 (学生2000円) 申し込み方法: 氏名、連絡先 、参加人数、支払い方法(持参又は振込み)を 明記の上、 メール(benjaminoffice88@gmail.com)にてお申し込み下さい。 お問い合わせ: ベンジャミンフルフォード事務所 (benjaminoffice88@gmail.com) ※当日費用をご持参の方はお釣りのないようにお願いします。 ※講演会費用は会場レンタル代やホームページ運用代、ベンジャミン フルフォード活動費用に充てさせていただきます。 了
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