□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年9月29日発行 第118号 ■ =============================================================== カメレオン政党の民主党に政権を委ね続ける不条理 =============================================================== なぜ私は菅・仙谷民主党政権をここまで批判するようになったのか。 それは菅・仙谷民主党政権の政策が私の目指すものとまったく異なる 政策を進めるようになったからだ。 自民党政権からの政権交代を期待していた私は熱烈な民主党支持者だった。 誰が民主党の政治家であろうと、民主党に政党綱領がなかろうと、気に しなかった。 自民党を国会で追いつめ、選挙に勝って政権交代を果たす。それだけを 民主党に期待していればよかったからだ。 そして政権交代が起きた。私はそれを素直に歓迎し、その政権の政策に 期待した。 米国のためでもなく、官僚のためでもなく、大企業の利益のためでもなく、 様々な組織の利権のためでもなく、恵まれた富裕者のためでもなく、日々の 暮らしを真面目に生きていく善良な庶民の幸せを願う公正な政策を進めて くれる事を心から期待した。 私の期待は裏切られ私の心は民主党から離れて行った。 それでもまだ鳩山・小沢の民主党には応援したい気持ちは残っていた。その 政策に失望したといっても、まだ政策に対する期待を持とうとした。 ところが菅政権になったとたん、私の民主党に対する期待は皆無になり、 もはや私は民主党に敵対ですらある。 なぜだろうか。菅首相には失望したが今でも菅直人という政治家自身を 嫌っているわけではないのにである。 そしてあらためて気づいた。 民主党は実体のないカメレオン政党であるということを。 その時、その時の支配的政治家によって民主党は180度異なる政党に変わ るということを。 野党の頃であれば目をつむる事ができる。しかし政権を持つようになった 民主党はやはりそれではいけないのだ。 今の菅首相はいわゆる松下政経塾出身の政治家や、それに親和的な政治家に 支配されている政権である。 基本的なところで自分と政策の異なるこれら政治家が牛耳る今の民主党を 支持できないのは当然である。 彼らに操られて自らの指導力が見えてこない菅首相を見限るのは止むを得ない。 そう思っていたらカメレオン政党の新たな色が鮮明にあらわれてきた。 中国船の船長釈放に抗議して長島昭久議員や松原仁議員らの対中強硬派議員 たちが釈放を撤回せよと菅内閣に詰め寄ったのだ。 その建白書や抗議文を読むと、尖閣諸島を実効支配しろ、とか、自衛隊を常駐 させろ、などと馬鹿な事を叫んでいる。自民党以上にタカ派だ。 菅政権の対中外交の無策を批判する私でも、その方向がまったく逆だ。 そんな議員たちもまた民主党議員である。その民主党が政権を握っているのだ。 世論調査によれば今でも民主党を支持する国民は多い。 しかし彼らはカメレオン民主党のどの色を支持しているだろうか。 前原たちか。松原たちか。それとも連合の民主党か。菅個人か。それとも反 小沢らか。 ひょっとしてどんな色のカメレオンでもいいから自民党でなければいいと思 っているのか。 カメレオン民主党政権の長期化は日本に混迷をもたらすだけだ。 権力ではなく政策の下に同じ考えの政治家が集まる、そういう意味での真の 政界再編が起きて心から応援できる政党が現れないものだろうか。 さもなければどんな政権が出来ても権力ほしさの与野党の馴れ合い政治の繰り 返しになる。 日本の政治が無力化していく。 了 おしらせ 日経ビジネスオンラインでは9月29日より、日本の新しい防衛政策を考え る特集が始まり、様々な有識者の「新防衛計画の大綱私案」が連載されます。 その第一回に私の意見が掲載されます。 関心のある読者の為に、日経ビジネスオンラインの案内を以下の通り紹介 しておきます。 記 日経ビジネスは雑誌とオンラインで成り立っています。 雑誌は定期購読制です。こちらからお申し込みいただけます。 http://business.nikkeibp.co.jp/nbs/nbo/base1/index.html?xadid=002 オンラインはこちらでお読みいただけます。 http://business.nikkeibp.co.jp/ 会員登録(無料)していただくことで、すべての記事をお読みいただけ ます。 http://business.nikkeibp.co.jp/info/reguser/ 〒108-8646 東京都港区白金1丁目17番3号 NBFプラチナタワー 日経BP社 日経ビジネス オンライン Tel:03-6811-8188 Fax:03-5421-9160 日経ビジネス オンライン:http://business.nikkeibp.co.jp/ 了
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