□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年9月28日発行 第116号 ■ =============================================================== 鎌田慧と米国映画評論家スタンリー・コフマン =============================================================== ニューズウィーク誌日本語版9月22日号の文化欄を読んでいて印象深い 言葉に出会った。 米国の映画評論家にスタンリー・コフマン(94)という人がいるらしい。 1958年に映画評を書き始めて以来の映画評論家の権威であるが、同時に 小説家で、書籍編集者で、大学講師で、西部劇映画の原作者でもあるという。 そのコフマン氏を、やはり著名映画評論家のロジャー・エバート氏がこう 表現して褒めたというのだ。 「もし自分の意見が彼と違ったら、間違っているのは自分のほうかもしれ ないと思わされる人物だ」、と。 いい言葉だと思った。何かの時に使わせてもらいたいと思って切り取って おいた。 今日9月28日の東京新聞にルポライターの鎌田慧氏の「本音のコラム」を 見つけた。そしてその取って置きの言葉を使いたくなった。 私が無条件で褒め称える言論人は皆無と言っていい。 どのような立派な人の意見でもどこかで必ず失望させられる。それは違う、 という気持ちにさせられてがっかりする。 しかし私は鎌田氏の言論にいまだ一度も裏切られた事は無い。すべて共鳴 することばかりだ。 今日の「検事の犯罪」というコラムもその一つだ。 彼は大阪地検の改ざん不祥事について述べている。 「証拠の改ざんは前代未聞の不祥事」と書いた新聞もあったが、そんなに めずらしい事ではない、と。 今から百年前、12人を死刑、12人を無期懲役にした「大逆事件」を、 検事の「功名、手柄のため」と言いきった管野須賀子がいた、と。 原敬はその日記で「実は(大逆事件は)官僚派が之を産出せり」と書いた、 と。 その時次席検事であった後の首相の平沼騏一郎は「中に三人陰謀に参与した かどうかわからぬのがある」と後に語ったが、三人どころではなかった、と。 人権意識より国権意識の強い検事の『正義感』のやり口に、どれほど多くの 冤罪者が泣かされてきたか、今更大げさに騒ぎ立てるな。それより市民のための 人権検事をふやせ、と。 鎌田慧氏が言えばすべてが正論になる。 了 おしらせ 日経ビジネスオンラインでは9月29日より、日本の新しい防衛政策を考え る特集が始まり、様々な有識者の「新防衛計画の大綱私案」が連載されます。 その第一回に私の意見が掲載されます。 関心のある読者の為に、日経ビジネスオンラインの案内を以下の通り紹介 しておきます。 記 日経ビジネスは雑誌とオンラインで成り立っています。 雑誌は定期購読制です。こちらからお申し込みいただけます。 http://business.nikkeibp.co.jp/nbs/nbo/base1/index.html?xadid=002 オンラインはこちらでお読みいただけます。 http://business.nikkeibp.co.jp/ 会員登録(無料)していただくことで、すべての記事をお読みいただけ ます。 http://business.nikkeibp.co.jp/info/reguser/ 〒108-8646 東京都港区白金1丁目17番3号 NBFプラチナタワー 日経BP社 日経ビジネス オンライン Tel:03-6811-8188 Fax:03-5421-9160 日経ビジネス オンライン:http://business.nikkeibp.co.jp/ 了
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