□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2009年12月23日発行 第505号 ■ ────────────────────────────── 増税に踏み切った鳩山民主党の裏切り ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 週刊金曜日12月18日号に山口二郎北海道大学教授の政治時評があった。 その中で政権交代の評価について次のように書いている。 「・・・先日政治学者の仲間と忘年会をした際に、政権交代の評価が世代によって異なる という話題になった・・・現役最高齢の学者は、生きているうちに政権交代を見る事はないと 思っていただろうから、政権交代が起こったこと自体を肯定的に評価している・・・それに くらべ私のように50代前後、さらにその下の世代の学者は、せっかく政権交代を起こしたのに 民主党は何をもたもたしているのだ、とかなり欲求不満をためている・・・」 そういえば、山口二郎教授については他にも二つの注目した記事があった。 一つは12月22日の朝日新聞「政権交代から、まもなく100日」という記事である。その記事は 次のような言葉で始まっていた。 「政治学者の山口二郎・北海道大学教授は不機嫌だ。1990年代から政治改革論議にかかわって きた山口氏だけに民主党政権への期待は大きかったはず。『危惧していた一番悪いところが出た』と 憂えるのは、新政権の骨格が見えないこと・・・」 もう一つ。これは山口氏自身の言葉である。12月6日の東京新聞「本音のコラム」の中で彼は こう書いていた。 「鳩山政権のもとでの最初の国会は、政策論議が深まらないままに終わった。特に、党首討論がない まま国会が終わったことは、従来の自民党政治からの転換を期待していた世論を裏切るものであった。 これから政治の焦点は来年度の予算編成に向かっていくのであろうが、このところ鳩山政権への国民の 期待は日を追って低下しているように思える・・・」 既存政党のすべてに何のかかわりもない気楽な私と違って、民主党支持を公言して職をなげうってきた 山口氏でさえこう言っていたのだ。さぞかしつらいだろう。 そして山口氏の懸念どおり、国民はものの見事に予算編成で鳩山民主党に裏切られたのだ。 何があっても鳩山・小沢民主党を続かせたい、と考える「政権交代がすべて」の人たちはともかく、まとも な国民であれば山口氏と同じ意見を持つのがあたりまえだ。 「たかがオバマ、されどオバマ」と言って好意的に見てきた私が、オバマ大統領を完全に見限ったのが 12月11日であった。あのノーベル平和賞受諾演説で米国のテロとの戦いを正しい戦争と世界に公言した 瞬間からである。 私は、「ひょっとして鳩山首相は腹をくくっているかもしれない」と期待して好意的に見てきた。その 私が鳩山政権を見限る時がくるとすれば、おそらく来年の5月だろう。 普天間基地問題に関する鳩山首相の政治決断を知った時である。日米同盟の帰趨こそ最大の関心事である 私にとっては、最後の判断を下すのはその時だ。 しかし一人の国民として鳩山民主党政権を見た場合、鳩山民主党政権に裏切られたと確信したのは昨日の 税制大綱の決定と、それにともなう来年度予算案の内定を知った時である。 今日の新聞はその事を一斉に報じている。一時的なアメをなめさせた上での増税だと。国民生活はさらに 苦しくなると。 複雑な税制の詳細について専門家がどのような説明をしようとも、そして民主党支持の経済学者が どのような弁護をしようとも、民主党もまた増税に手をつけざるを得なかったということだ。 それを証拠に鳩山首相は国民に詫びている。財政赤字の前にこれ以上国債増発は許されなかった、 理解してほしい、と。 政策決定の責任者のポストにあるはずの菅直人副総理・国家戦略相が認めている。特別会計、国防予算 その他の大きな政策予算を十分に切り込めなかった、と。 鳩山民主党に期待されたのは、増税や国債増なくして国民生活を助ける予算を作ることではなかったか。 自民党的な発想では決してできない予算を組む事だったのではないか。 だからこそ革命的な政権であるという大げさな呼称を使う恥ずかしさを許したのではなかったのか。 そして、もし彼らに革命的な決意と覚悟があったなら、それぐらいの事は出来たはずだ。 同じ23日の新聞に、自民党の2010年運動方針が報じられていた。消費税を社会保障分野に充てる 目的税とした上で、税率を引き上げるという。 語るに落ちる話だ。政権復帰もかなわない今の自民党が、国民の支持をさらに失う増税に固執している。 与党も野党も増税を前提としている。それしか知恵がない。名前を変えてごまかすところまで同じだ。 政権交代が起きても、増税では見事に一致している。 笑って済ませる余裕のある国民はいい。救われない弱者を救うのが政治であるべきだ。 __________________________________________ 天木直人のメールマガジン 2009年12月23日発行 第505号 お知らせ 11月22日に行われた岡留元「噂の真相」編集長との対談DVDが 発売されました。以下のとおりご案内します。 『徹底討論 普天間基地と日米密約 民主党の思惑とは』 http://a.mag2.jp/i0wy (販売価格:1260円(税込)) ⇒YouTubeサンプル動画 http://a.mag2.jp/i0wF プロフィールページ http://a.mag2.jp/i0w9 ----------------------------------------------------------------------- ----------------------------------------------------------------------- 『徹底討論 政権交代で日本が変わる 民主党政権とメディア』 http://a.mag2.jp/i0wu (販売価格:1260円(税込)) ⇒YouTubeサンプル動画 http://a.mag2.jp/i0wW プロフィールページ http://a.mag2.jp/i0wf ----------------------------------------------------------------------- お知らせ ガザでの平和行進参加の中止 やむをえない事情によりガザ行きを断念しました。 これにともない、年末、年始のメルマガは休むことなく 書き続けます。

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