□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2009年12月19日発行 第500号 ■ ────────────────────────────── 金大中事件の教訓は今も生きている ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 12月19日の朝日新聞土曜版に金大中事件に関する伊藤千尋記者の読ませる記事があった。 1973年8月8日に起きた金大中事件とは、当時韓国の反政府運動の指導者だった金大中氏 (韓国野党大統領候補)が白昼に東京都内のホテルから誘拐された事件である。後にそれが 韓国政府によるものだと判明した。 駆け出しの外務官僚であった私に、「国家権力と人命尊重」の欺瞞、偽善という現実を強烈に 思い知らせてくれた事件である。 その後の外交官人生の中で、この事件は私の原点の一つであり続けた。 その伊藤千尋記者の記事の中に次のようなくだりがある。 「・・・(金大中氏は)船に乗せられ、目隠しのまま戸板に縛りつけられて、海に沈められる 寸前だった。『そのときイエスが横に降り立ったのを感じた』と金氏は自著『新しき出発のために』 に書いている。イエスの袖を握って助けを求めると『パーン』と音がし強い光が差して救助の人が 来たという。米中央情報局(CIA)の知らせを受けた自衛艦が発射した照明弾の音ではないか とも言われている・・・」 この記事を読んで、「米国は私の命の恩人だった」と金大中氏がどこかで語っていた事を思い出す。 私が注目したのは、その後につづく日本政府の対応ぶりに関する記述である。 「・・・金大中氏がいたホテルの部屋から在日韓国大使館員の指紋が見つかった。後に韓国中央 情報部(KCIA)による犯行とわかったが、当時の韓国政府は知らんぷりした。日本政府も解明に 及び腰で、結局は『政治決着』となり闇に葬られた・・・」 当時私はこの政治決着とやらに、この上ない違和感を抱いた事を覚えている。人命にまさる政治決着 などあるのか、と。 いまそれを思い出しながら北朝鮮の拉致事件の事を思い出している。 関与した国も被害者も政治状況も、金大中事件とはまったく異なる。 しかし共通している事は政治による「人の命」の軽視である。 北朝鮮との関係改善を重んじて拉致問題の初動捜査を封印した金丸・田辺訪朝団。 手柄をあせって北朝鮮を電撃訪問した小泉元首相とそれを振付けた外務官僚。 拉致問題交渉が本格化した後の自民党の歴代首相や政治家、官僚たちの嘘と隠し事。 政権交代を果たした今の民主党指導者たちの不作為。 さらには「北朝鮮の拉致はない」と言っていた当時の野党政治家たちの沈黙。 すべては「人の命」よりも政治を優先することに起因する。 拉致被害者たちの横にイエスが降り立つのはいつの日なのだろうか。 __________________________________________ 天木直人のメールマガジン 2009年12月19日発行 第500号 お知らせ 11月22日に行われた岡留元「噂の真相」編集長との対談DVDが発売されました ので以下のとおりご案内します。 『徹底討論 普天間基地と日米密約 民主党の思惑とは』 http://a.mag2.jp/i0wy (販売価格:1260円(税込)) ⇒YouTubeサンプル動画 http://a.mag2.jp/i0wF プロフィールページ http://a.mag2.jp/i0w9 ----------------------------------------------------------------------- ----------------------------------------------------------------------- 『徹底討論 政権交代で日本が変わる 民主党政権とメディア』 http://a.mag2.jp/i0wu (販売価格:1260円(税込)) ⇒YouTubeサンプル動画 http://a.mag2.jp/i0wW プロフィールページ http://a.mag2.jp/i0wf ----------------------------------------------------------------------- お知らせーガザでの平和行進参加の中止 やむをえない事情によりガザ行きを断念しました。これにともない、年末、年始の メルマガは休むことなく書き続けます。

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