■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2009年12月7日発行 第484号 ■ ────────────────────────────── 政権交代後のメディアの当惑 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 総選挙で民主党が大勝したのは8月30日だった。そして鳩山内閣が発足したのが9月16日だった。 政権交代が起きて、かれこれ3ヶ月ほどがたつ勘定だ。 当時の私のメルマガで次のように書いた記憶がある。 これからは退屈になる。これまでは政権交代の実現を目指して政官財の癒着を責め立て、政権交代を阻止 する自公政権と官僚の卑劣さを非難していればよかった。しかし、民主党が大勝し、自民党がかくも無残に 崩壊し再生のめどすら立たない今、我々がなすべきことは、民主党を一大国民政党ととらえ、一般国民の ための正しい政党になっていくよう、応援しながら、監視していく、それしかない、と。 そのような作業は、しかし、ドラマチックではない。なぜならば個々の政策論に入らざるを得ないからだ。 白か黒かではなく、是々非々に終始することになるからだ。 民主党にも多々不満はある。しかし民主党にどんなに失望しても、それに代わって政権を託せる政党はない。 だから民主党を批判する事は政治そのものを否定することになる。政治に絶望することになる。この葛藤がある。 そのような状況を反映してか、私のブログやメルマガの読者も減少する傾向にある。 しかし、このことは決して私一人の葛藤だけではない。ネットで目にする多くの政治ブログも、いや大手 メディアのすべてが直面している共通の悩みではないか。 そう思っていたら、その事を有力なメディア関係者が書いているのをはじめて目にした。 12月6日の朝日新聞「TVダイアリー」というコラムで、TBS総力報!道THE NEWSのアンカーマンである 元共同通信編集局長の後藤謙次氏が次のように書いていた。 ・・・(政権交代とともに)テレビの政治報道も明らかに変わってきたように思う。従来の主流とも言えた 政治家のスキャンダルや政党間の駆け引きなど、いわゆる政局の動きを伝えるニュースの比重は小さくなっている。 それより年金、医療、雇用など、毎日の生活やこの国の行方に多くの視聴者が真剣なまなざしを向けている ことが・・・番組に対する反響からも伝わってくる・・・しかしこうした硬い政治ニュースをどう伝えるかとなると、 これは本当に難しい。「映像至上主義」や「面白さ優先」に走ってはならない。かといって難解な言葉を多用すれば、 何も伝えないことと同じになってしまう・・・ 後藤氏は回りくどく書いているが、要するに政策論は退屈だという事である。 国民は是々非々よりも白黒がはっきりした単純さを好むのだ。 そしてその事は、決して衆愚とか、劇場政治などと言った言葉で非難さるべきものではない。 世の中は、あまりにも不平等、不正義がまかり通っている。その事は政権交代が起きたからといって なくなるわけではない。 それどころか、世の中の常は、組織や権力を握っているものたちがいつも有利な立場にあり、不都合を 隠蔽し、悪事の責任逃れをしようとする。 その影にあっていつも損をするのは多くの善良な弱者である。 そんな弱者のために、正義は実現されなければならない。その為には、何事も物事は単純、明快に 解決されなければならない。白黒をつけなければいけない。 後藤氏はその記事を次のような言葉で締めくくっている。 ・・・そこで忘れてならないのが、ジャーナリズム精神だ。単なるニュースの伝達で終わらず、 権力を監視し、声なき声の代弁者であり続けること。社会が大きな変化を遂げる今こそ、私たち ジャーナリストはその精神に立ち返り、変化の流れに惑わされない視点を持ち続けなければならない・・・と。 それは正しい。しかしそれほど大げさに言わなくてもいい。当たり前のことなのだ。 とにかくひとつでも多くの真実を伝えてくれるだけでいい。権力者や身内にとって都合の悪い事は 書くことを自粛する、ということをやめてくれるだけでいい。 真実を知ればおのずと国民は正しい判断をする。権力者の悪を監視できる。 __________________________________________ 天木直人のメールマガジン 2009年12月7日発行 第484号

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