■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2009年12月6日発行 第483号 ■ ────────────────────────────── 普天間基地問題に見る岡田外相と伊波宜野湾市長の力量の差 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 12月5日、岡田克也外相は沖縄を訪れ、普天間基地の移設問題をめぐり、宜野湾市の 伊波洋一市長と会談したという。 それを報じる記事を読んでつくづく思った。 ほかの事は知らない。しかし、少なくとも普天間基地移転問題をめぐる対米交渉の進め方に 限っていえば力量の差は歴然だ。 その差は一言で言えば、事実を直視して議論を進めるか、思い込みで空論を繰り返すか、の差だ。 12月4日東京で日米閣僚級作業部会が開かれた。その直後から岡田外相の発言のトーンが一気に 対米従属に傾いていった。次のごとき発言を繰り返すばかりだ。 「このままいくと、普天間基地を移設するという現行計画が白紙に戻りかねない。普天間基地飛行場 の危険がなくならない。状況は厳しく、(米側にとっては)現時点で辺野古沿岸部以外の選択肢はない」 これらの言説は岡田外相だけのものではない。会談に出席した官僚たちがメディアに一斉にリーク し、それをメディアが騒ぎ立てて書いているのだ。 しかし、一体彼らはどこまで米国の安保政策の実態を知っているのか。自ら調べ、学ぼうとしたのか。 そこにあるのは、米国は一歩も譲らない、米国は怒り出す、このままでは日米同盟は危うくなる、などという 根拠なき思い込みである。 そういうステレオタイプの言説を唱えていれば無難である、と高をくくっているこの国の指導者、官僚、 メディアの怠慢のなせる業である。 ひるがえって伊波洋一宜野湾市長は、「危険性除去のために辺野古に(飛行場を)つくるという議論その ものが間違いである」と岡田外相に訴えたという。 その背景にあるものは、みずから膨大な資料を検証して探りあてた米国の安全保障政策の実態である。 伊波市長の検証結果は、週刊朝日12月11日号「海兵隊は辺野古ではなくグアムへ返せる!」で見事に 我々の前で明らかにされている。 それは一言で言えばこうだ。 米海軍省グアム統合計画室は、普天間の海兵隊をグアムに移転させる計画を作成していた。それは これまでの日本政府の説明が米軍の説明と食い違っている事を証明するものだ。辺野古にあらたな基地を つくる必要性は根本から崩れることになる。原点に立ち戻って、在日米軍が日米双方にもたらす利害得失を、 国民が見える前で米国と議論、交渉し直してもらいたい。そうすればおのずと答えは出る。 伊波市長の次の言葉が象徴的だ。 「情緒がからんだ政治的な思惑とは無関係に、米軍は純粋に戦略的見地からグアム移転を進めている。 (米海軍省が普天間の海兵隊をグアムに移転させる計画を作成しているというあらたな証拠を)切り札に、 (日本政府は)時間をかけて交渉し直すべきだ」 思い込みで日米同盟の危機を煽り立てる岡田外相と、事実に即し、国民の目の前で冷静に米国と話し合うべきだ とする伊波市長。 どちらが正しいかは歴然だ。 今日12月6日の各紙は、岡田外相が嘉手納基地併合案をあきらめて、(辺野古以外の)選択肢は なくなりつつある、などと言いはじめたと報じている。 鳩山首相の決断の前に、岡田外相の正念場が来るyぽうな気がする。 __________________________________________ 天木直人のメールマガジン 2009年12月6日発行 第483号

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