■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2009年11月30日発行 第473号 ■ ────────────────────────────── はじめて目にする「日米関係の現実」を言い当てた論評 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日米関係は日本人にとって最重要な二国間関係だ。 しかし、それをめぐる論評は、反米・嫌米であるか、親米・従米であるかの両極端に わかれ、その中間がない。 日米関係の現実を正しく言い当てた論評を私はついぞ目にすることがなかった。 きょうの読売新聞を読むまでは。 11月30日の読売新聞に池内恵(いけうち・さとし)東大准教授の「ワシントン報告」と いうのがあった。 彼は現在ワシントンDCのウッドロー・ウィルソン客員教授として米国に滞在し、オバマ政権の 対イスラム世界政策を研究しているという。 その米国滞在で感じた事を書いている。その要旨は次の通りだ。 1.日米の政治的なコミュニケーションの経路は「ジャパン・ハンド」と呼ばれる、米国の少数の 日米関係専門家に過度に偏っている。 2.彼らが過度に発言力を持つ原因は、米側で日米関係への関心が薄く、日本の世論や政策決定と 実施の過程を読みこなせる人材が米側に育っていないことだ。 3.日本は(もはや)エリートが主導する社会ではなく、分厚い中間層の世論が政治を根底で規定する。 政策を「決定」するのは政治家や官僚だが、それを「実施」する過程は世論の支持なしには進まない (この傾向は今後更に進む)。 4.米国では非西洋の諸地域を対象とする政治研究は、多くがその地域の出身者か移民の子孫によって 担われるが、日本研究に限っては日本出身者や日系米国人は中心ではない。 5.その理由は、一つは日系人が、不幸な日米間の過去のため、米国社会においてエスニックな集団 として政治力を求める機会を逸したこと。 6.もうひとつは、米国への移民、留学が進まなかったことである。留学しても永住せず、日本に帰って 就職するので、日本研究は日本の大学のほうが水準は高い。これは、優秀な学生が米国で自国を研究し、 米国で就職を目指す、多くの非西洋諸国の趨勢と対照的である。 7.しかし、これは本来の国民国家の姿である。自国(日本)の生活環境が快適で、治安がよく、 教育や就職に恵まれていたからだ(少なくともこれまでは)。 8.同様に、米国の対外政策で日本が軽視されるのも、(少なくとも戦後の)日本が脅威とならない (迷惑をかけない)国だったからだ。 9・もし日本で核武装論が高まり、紛争やテロリズムが続発すれば、対日政策は米国の主要な課題となり、 日本の言語や社会や政治を(米国は)徹底的に理解しようとするだろう。もちろんこれは日米関係の 望ましい姿ではない(のだが・・・) まったくその通りであると私は思う。ここまで明快に日米関係の現実を言い当てたものを私は知らない。 問題はこの冷徹な認識に立って、今後日本はどう対米関係を進めていくべきか、つまり正しい日米関係 はどうあるべきか、ということである。 この点について池内氏は何も語っていない。 唯一語っていることは、最後に書いている、日本が核武装国やテロ続発国などといったネガティブな 形で米国の関心を惹くような国になってはいけない、という事である。 これは、「日本も北朝鮮のように核兵器保有国にならなければ世界から舐められる」と繰り返す、あの 田母神氏の言動を戒める、ものであること言うまでもない。 しかし池内氏には、ポジティブな意味での日本関係のあり方、つまり正しい対米外交についてこそ、 この論説で語ってもらいたかった。 それは何か。 今こそ日本は世界最大の軍事国家であり戦争国家である米国から自立し、平和外交に徹する国に なることだ。 決して日米同盟重視をお経のように唱えて、対米従属を続ける事ではない。 誰がどのような理由付けを行おうとも、これ以外に日本が目指す外交はない。 この事が正しいと、皆が気づく時が必ず来る。 __________________________________________ 天木直人のメールマガジン 2009年11月30日発行 第473号 購読者へのお知らせ 私は本年12月26日から明年1月5日まで、エジプトのカイロ経由でパレスチナ自治区 ガザに入り、 元旦の「ガザ解放世界平和の行進」に参加する予定です。 つきましてはその間のメルマガ配信は休止し、無事ガザから帰国出来れば、新年の配信は 1月6日から 始めさせていただくことにしました。 12月と1月のメルマガ購読を検討されておられる読者におかれましては、上記の配信予定 をご了解願います。 尚、ガザ平和行進については、かつてメルマガで読者に呼び掛けて有志を募ろうとしましたが、 ガザへの 入国が保証されないこと、そしてガザへ入国した後の安全が保障されないことの二つの 理由から、私が皆を 誘って参加する事を断念し、個人で参加する事としました。 「ガザ平和の世界行進」に興味のある読者は以下のHPをご参照ください。 gazafreedommarch.org 講演のお知らせ 以下の通り講演を予定していますのでご案内します。 テーマ: 鳩山民主党政権の対米外交 「日米同盟」は変わるのか、 沖縄米軍基地はどうなるのか 「テロとの戦い」にどこまで協力していくのか 講 師: 天木直人 (元駐レバノン特命全権大使) 日 時: 12月13日(日) 午後1時30分~5時 会 場: 名古屋市・ 伏見ライフプラザ 12階 第1研修室 (地下鉄伏見駅 6番出口直進5分 中消防署ビル) 参加費: 800円 主 催: 国民保護法制を考える会 (事務局 西英子)

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