■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2009年11月20日発行 第457号 ■ ────────────────────────────── ゆずれない最後の一線はある ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 大げさな物言いであるが、人間には譲れない最後の一線がある、とはよく聞く言葉である。 実は、私はその様な言葉を好んで使う潔い人間ではない。色々な損得勘定を考えて融通無碍に 対応する現実的な人間だ。 政権交代後の民主党の評価についても、もっと激しく批判したいところは多々あるが、 いまや国民政党になった感のある民主党には頑張ってもらいたいと願う気持ちと、その民主党を 批判して民主党支持者から反発を受ける事を避けたい気持ちの交錯するなかで、民主党批判は 極力押さえてきた私だ。 しかし、やはりゆずれない最後の一線はある。 昨年4月、名古屋高裁で自衛隊イラク派件訴訟の判決が下され、そこでバクダッドへの空輸は 違憲だという歴史的判決が下された。 その時、傍聴席にいた一人が私に近寄り、私の手を握って、あなたの行動が報われましたね、と 涙を流してくれた。 11月はじめの予算委員会で鳩山首相がイラク戦争は間違いだったと思うと述べた。 翌日の新聞がそれを見出しにして報じた。 いつものように切り抜いた新聞記事が散乱している私の机を横切った妻がそれを見つけ、 「よかったね」とポツリと声をかけてくれた。 自分の身勝手から一番迷惑をかけた妻にそう言葉をかけられた時、この6年間のくやしさとつらさと 申し訳なさが氷解した。気づかれないように涙を隠した。 イラク戦争はやはり私にとってゆずれない最後の一線である。 今日、11月20日の朝刊を見て、平野官房長官が、「自衛隊の活動は違憲であると考えていない、 イラクは非戦闘地域だ」、と述べたことを知った。 19日の参院内閣委員会での答弁で述べたという。 中東情勢やイラク戦争の現実を深く知りもせず、その陰でどれだけの無実の市民が犠牲になったか について思いを馳せるわけでもなく、ただ国内政治上の配慮から、いとも簡単にこういう答弁を口にする 政治家を、私は強く非難する。 そのような政治家が民主党政権の代弁者である事に強い反発を覚える。 __________________________________________ 天木直人のメールマガジン 2009年11月20日発行 第457号

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