■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年11月18日発行 第454号 □■ ─────────────────────────────── ■ 裁判員制度はうまくいっているのか ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 多くの反対意見があったにも関わらず粛々と始まった裁判員制度。 これまでの報道では、すべてが順調に行っているかのようだ。 お上に従順な国民性もあって、選ばれた国民で拒否する者はほとんどいないという。 裁判員の経験をした者の感想として、「裁判に興味が持てた」、「やってよかった」、などという 好意的な意見ばかりが目につく。 本当に裁判員制度はうまく行っているのだろうか。 たとえばこういう事がある。 裁判員制度が適用される犯罪は、死刑に相当する重大刑事犯罪だけに限られる。こう我々は聞かされてきた。 その時さんざん指摘されたのは、国民生活にもっと関係の深い軽微な民事や、国を相手取る行政訴訟、 国家賠償訴訟、違憲訴訟こそ、住民参加が必要ではないのか、という事だった。 そんな意見を一顧だにせず、刑事事件に限った、しかも重大犯罪を対象とする形で裁判員制度は始まった。 しかし、いつの間にか、より軽度な犯罪までも裁判員制度が適用されている。 どこかおかしい。国民の知らされていないところで、この裁判員制度は動かされているのではないか。 そう思っていたら、11月17日の朝日新聞、「裁判員時代 浮かび上がる課題」の中で驚くべき事実を 知らされた。 「理由なき不選任」という特権が、検事と弁護士の双方に求められているというのだ。 それはこういうことだ。 抽選で選ばれた者は拒否できない。予定を変更し、そしてその為に経済的損失や不要の出費までして 裁判所に足を運ぶ。 ところが裁判所に足を運んだ候補者は、非公開の場で裁判長の面接を受け、その際、立ち会った検察官 と弁護士は、理由を示さずに「不選任」とするよう求める特権があるというのだ。 ある弁護士は、「外見や態度を見て、被告に厳しい判断を示すのではないかと感じて外した」と言い、 ある検察官は、「ずっとうつむいて黙っていたから」外した、と言う。 そして裁判所は不選任に関する情報は一切明らかにしない。 こんな大きな裁量が裁判官、検察官、弁護士のいわゆる司法関係者だけに許されているというのだ。 おかしくはないか。 裁判員制度は、有権者から「無作為」に抽選で裁判員制度を選ぶのが大きな特徴であると喧伝された。 幅広い市民の意見を公平に反映するためであると言う。 その結果、抽選で選ばれた国民は裁判員になりたくなくても拒否できない。 これは平和時の徴兵制度だと批判される理由がそこにある。 ところが、司法関係者は、万障繰り上げて裁判所に足を運んだ国民を、理由を示さずに「不選任」と する特権を持っている。 こんな不合理があるだろうか。 民主党政権になって、すべてが国民本位の政策に改革されようとしている。 民主党政権になっても放置される不合理、不都合は残るということだ。 我々は誰に文句を言えばよいのか。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年11月18日発行 第454号

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