■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年11月14日発行 第450号 □■ ─────────────────────────────── ■ 日米首脳会談の正しい評価─追い込まれているのはオバマ大統領のほうだ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日米首脳会談に関する今朝(11月14日)の朝刊各紙の報道をくまなく読んだ上で この文章を書いている。 各紙が共通して書いているのは、普天間基地問題を先送りして首脳会談の成功を演出した鳩山首相は 今後さらに困難な決断を迫られることになる、というものだ。 その事に異論はない。 しかし各紙が決して書いていない事がある。それはオバマ大統領のほうがもっと困難な状況にある、 ということだ。 今度の首脳会談の評価を論じる今日のあらゆる報道よりも、はるかに重要な記事が、オバマ大統領が 訪日する前の11月13日の朝日新聞紙上に載っていた。 私はそれを見逃さなかった。 マイケル・グリーン米戦略国際問題研究所日本部長が次のように語っていた。彼の言葉が嘘でなければ、 それこそが米国の本音である。 マイケル・グリーン氏は言う。 「ゲーツ国防長官が日本側に強い調子で臨んだのは、普天間基地の問題を早期に解決しようとしたのであり、 (それを)ホワイトハウス側も望んだからだ。 沖縄では年明けに名護市長選挙がある。オバマ政権は普天間基地問題を年内に片付けないと反対の機運が高まる と判断した。 計画がひとたび崩れれば、元に戻すのはほぼ不可能で、米軍再編もすべて終わってしまう、と考えている・・・ (ゲーツ長官が強い調子で臨んだ)もう一つの要因としてはアフガニスタンをめぐり、オバマ政権が米軍と 非常に緊張した関係にあることが挙げられる。 米軍が増派を求めているのに対し、オバマ大統領は判断を先送りしている。米軍がいらだっている状況で、 (オバマ)政権が普天間基地問題で海兵隊や空軍に対し県外移設案や嘉手納統合案を言うのは難しい・・・」 赤裸々な米国の本音である。 この本音の発言から次の事が透けて見える。 米国は沖縄県民の反対意思が選挙で明白になる事を想定している。それを恐れている。だから早く決着を つけたいのだ。(この点は仲井真知事や島袋名護市長が選挙に負ける事を危惧して結論を急ぐ事と見事に 一致している) 今回の首脳会談で、普天間基地の早期解決のための閣僚級協議を米側が言い出したのもまさにその危機意識 のあらわれである。日本側はこの協議を急いではいけない。押し切られてはいけない。 二つ目に普天間基地の県外、国外移転は安保体制そのものの見直しにつながる恐れがある深刻な問題であると 米国はとらえている事だ。 この点は私もまったくそう思う。実に重要なポイントだ。 鳩山首相も、外務・防衛官僚も、メディアも、沖縄県民も、そして一般国民も、普天間基地移設問題の県外、 国外移転問題は、そこまで事態が発展することを覚悟してかからなければいけないのだ。 しかし日本の場合は米国と違ってそのような事態に発展する事を「恐れる」必要はない。むしろ、日本が 米国の軍事占領から脱却できる「千載一遇のチャンス」だと腹を決めるのだ。 それよりも、米国がそう簡単に日米安保を手放すことにはならない。手放すには日本はあまりにも 重要なのだ。米国は譲歩してくる。 三つ目にアフガン情勢の進展如何では普天間基地問題どころではなくなるということだ。 アイケンベリー駐アフガン米大使が増派に反対の意見具申を行った。その少し前には駐アフガンの 米外交官が増派に反対して辞表した。米国内世論の多数がアフガンにこれ以上関与していく事に反対している。 アフガン情勢とそれに対する国際世論の動向如何では、オバマ大統領は追い込まれる可能性すらある。 鳩山首相は決して結論を急いではいけない。 かつて日本は神風に救われた事がある。 情勢次第では鳩山首相は一転して有利な立場に立つことになるかもしれない。 国民を裏切らない限り天は味方する事もある。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年11月14日発行 第450号

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