■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年11月12日発行 第446号 □■ ─────────────────────────────── ■ ガイトナー米財務長官は何をしに日本に来たのか ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 12日にシンガポールで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)財務相会合への出席を 前に、ガイトナー米財務長官が日本に立ち寄った。 10日夜には藤井裕久財務相と会談し、11日には鳩山首相を訪れている。 これを報じる各紙の内容はおよそ次のごとくだ。 すなわち、日米は「強いドル」支持で一致した、内需拡大のための新たな世界戦略について 協議した、という。 しかしこれだけでは何も分からない。 そんな中で、ガイトナー米財務長官の訪日の目的について書かれていた興味深い記事を見つけた。 11月11日の毎日新聞連載「日米漂流 オバマ大統領来日を前にー中」の記事がそれだ。 その記事は、まず、要旨次のように世界の金融市場の変化を書いている。 10月3日にトルコのイスタンブールで開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7) を前に、米政府は、日米欧プラス中国の4カ国であらたな金融の枠組みを作る事を打診した。 ところが影響力低下を懸念した欧州の反発でそのような提案はG7では行われなかった。 しかし、この米国の提案は、中国が世界の金融市場で不可欠な事を満天下に知らしめた。 とくに、米国との緊密な経済関係をテコにアジア代表としてG7に出席してきた日本にとっては、 その「特権」はもはや失ったも同然だ。 ところが米国はそれでも日本を重視せざるをえない。 そのように述べた上で、この毎日新聞の特集記事は次のように書いていた。ここがこの記事の 最大のポイントである。 ・・・米国にとって日中の二大米国債保有国は、ドル体制を支える上で不可欠な国だ。 「日中が米国の巨額財政赤字を補てんしなければ、米経済は成り立たない」(米大手証券)。 その中でも、いまや日本を超えて最大の米国債保有国となった中国は米国金融界にとって最重要国である。 ところが中国には政治体制の違いや、未開放の市場など課題も多く、「米政府としては、中国を牽制する 意味でも日本は不可欠」(国際機関首脳)と考えている。 そんな中で、8月のニューヨークタイムズ(電子版)に掲載された一本の原稿が米政府関係者にショックを 与える。鳩山論文は、その中で米国の市場原理主義を批判しているからだ。 9月の鳩山民主党政権成立後、日米関係は外交・安保分野で難しい状況に立たされており、この上、 経済分野で亀裂を広げてはいけないとの声が米政府内でも出ていた。 オバマ大統領訪日の1週間前に急きょガイトナー米財務長官を派遣したのは、「知日派長官の訪日で、 経済だけは正常な状態を維持したいとの狙いがある」(米政府に近い関係者)・・・ 米国の言う正常な状態とは米国の利益のために日本が従うということである。 しかし米国は心配する必要はない。この米国の期待に藤井裕久財務相は見事に応えている。 ・・・(藤井)財務相は会談で、ガイトナー長官に「あなたが強いドルを求めていることについて 私は多としている」と述べ、ガイトナー長官もうなずいたという。(藤井)財務相は会談後、記者団に 「ドルは強い。ドル経済が基本だ」とも述べ、ドルを中心とした経済を支えていく考えを示した・・・ また藤井財務相は会談で、「世界をリードする役割は国際協調だ。国際協調で一番大事なのは日米が 仲良くしなければならない」と語り、ガイトナー長官も賛意を示したという・・・(11月11日日経)。 ガイトナー米国務長官は、また、11日の鳩山首相との会談に置いて郵政民営化の見直しに関連し、 「公正な競争条件を確保してほしい」と要望し、米国保険会社が不利にならないよう求めた(11月12日読売)。 日本が米国に従属しているのは、何も外交・安保分野だけではない。金融資本の世界こそ日本は米国から 自立できないのだ。 普天間基地を手放す事はあっても米国は日本の金融資本を手放すことはない。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年11月12日発行 第446号

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