■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年11月11日発行 第444号 □■ ─────────────────────────────── ■ 機密費でも情報公開はできる ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「官房機密費、そんなのあるんですか」。就任直後の9月17日午前の記者会見で平野官房長官は そうとぼけて見せた。 その平野官房長官が11月5日、一転して官房機密費の存在を認めた。その上で使途や金額を公表しない 考えを明言した(11月6日朝日新聞)。 情報公開をマニフェストの一丁目一番地としているはずの鳩山民主党政権が、国民を裏切った瞬間だ。 当然国民から批判の声が起きる。それにたじろいで平野官房長官は9日の記者会見で支出から一定期間 経過後の公表の可能性について検討する考えを示した。 迷走ぶりが見て取れる。 官房機密費と同様に外交機密費がある。これも闇のままだ。 11月6日の東京新聞は、市民団体「情報公開市民センター」が2001年4月に成立した情報公開法に 基づいて公開を請求した在外公館の機密費について、8年半ぶりに外務省が関連文書の一部を公開したと報じた。 その結果、外交機密費(報償費)が会計検査院一行と在米日本大使館の公使らの会食、いわゆる官官接待、 などに使われていた事が明らかにされた。 それまでは市民団体の開示要求に一切応じなかった外務省が、政権交代に伴って譲歩を見せたということだ。 それは歓迎すべき第一歩だ。 しかし、それでもほとんどが黒塗りであるという。岡田外相がそれを承認したという事だ。 官房機密費といい外交機密費といい、なぜ鳩山民主党は機密費の情報公開をしないのか。できないのか。 それは、その使い方があまりにも逸脱しているからだ。それを国民が知れば怒りだす、その事にたじろぐからだ。 しかし鳩山民主党は国民を信用すべきだ。 機密費というものが、本来の使い方をされるなら、それを国民も許すだろう。 たとえば外交機密費だ。 今年の5月ごろ、宮本駐中国大使が元新華社通信幹部に、情報提供の見返りとして合計300万円ほどの 報酬を渡した事が、中国の司法当局によって認定される事件があった(5月14日朝日新聞)。 このような行為が外部に知られる事自体、外交的不手際の極みであるが、もしこのような情報収集の為に 使われる予算があるとすれば、それこそが本来の外交機密費である。 米国では中央情報局(CIA)が公然と情報活動に使う予算を公表している。 ブレア米国家情報長官は、CIAなど16の米情報機関の活動費として、年間約6兆8千億円もの予算が 支出されている事を明らかにしている(9月17日産経新聞)。 官房機密費もおそらく本来の目的に使われるのであれば国民も納得するだろう。 問題は、官房機密費にしても外交機密費にしても、それが国民の目に触れない事をいいことに、本来の目的 から逸脱して、あまりにも不適当、不正に使われて来た事だ。 官房機密費が、メディアや野党の買収まがいの使われ方をしたり、外交機密費が官官接待や家族の私的会食に 使われたり、プールされて濫用されたりする、そのような疑いが後を絶たないから国民が怒るのだ。 鳩山民主党が、政権をとった後でも国民の信頼を得る政党でありたいとするのなら、「情報公開は原則開示」 というマニフェストを守るべきだ。 機密費を原則公開する勇気を持つべきだ。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年11月11日発行 第444号

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