■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年11月6日発行 第436号 □■ ─────────────────────────────── ■ 米国の関心はすべて「テロとの戦い」につながっている ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今日(11月6日)の東京新聞は、「日米首脳会談へ議題を最終調整」という一段の小さな見出しで、 来日したキャンベル米国務次官補と岡田外相が5日外務省で会談したという記事を載せていた。 その内容は、日米首脳会談で取り上げる議題についての最終調整であるとして、次のように報じている。 「・・・会談では普天間飛行場移設問題や日本のアフガニスタン支援策を協議したものとみられる。 キャンベル氏が4日まで訪問していたミャンマーの情勢をめぐっても意見交換した」。 この小さな記事の中に、一般の読者が気づかない三つの大きな問題がある。 一つはなぜ岡田外相が国務次官補という局長級の格下米国官僚と話し合わなければならないのか と言う事である。 民主党政権下の岡田外相もまた外務官僚主導から逃れられないようだ。 藤原帰一教授が指摘していた日米官僚主導外交の限界を見事に象徴している記事だ。 二つ目は、オバマ大統領訪日の直前になっても、いまだ首脳外交の議題を調整しなければならない状況に あるという事だ。 これは、考えようによっては、日本での行われる初めてのオバマ・鳩山首脳会談の成功に向けて、慎重に 調整を行っているのだ、と言えなくもない。 しかし本当はそうではない。 オバマ大統領はAPEC会議参加の途次に日本に立ち寄るのであり、オバマ大統領が鳩山首相にどうしても 話さなければなら議題はない。 そもそも今回の首脳会談は、始めから米国は儀礼的訪問程度のものと考えている。どのような議題を用意して 恰好をつけようかというのが、日米双方の官僚の仕事なのだ。 普天間基地移設問題については、日本の決定を聞く事ができればそれはそれで歓迎する。しかし、もはや それさえ望めない。 米国はあきれ顔で、無理して結論を求めないと思うようになっている。米国にとってはその程度の問題なのだ。 普天間問題は日本の内政上の大問題なのだ。米国にとっては、思いやり予算とか地位協定問題などについても、 いつでも受けて立つ。その前に日本政府として腹をくくってかかって来い、という程度のものなのだ。 それよりも私が注目したのは三番目の点である。それはミャンマーが議題になると言う事だ。 これは明らかに米国の要望で出た話だ。 そもそもミャンマー問題については日本は関心が低い。アウンサンスーチー女子の人権については 欧米に比べてもっとも日本は冷淡だ。 ところが最近になって米国は急にミャンマーとの接触を重ね始めた。なぜか。その一つの答えが11月6日の 読売新聞に次のように書かれている。 「・・・カート・キャンベル国務次官補とともにミャンマーを訪問したスコット・マーシェル国務次官補代理は、 5日、ミャンマーのテイン・セイン首相との会談では北朝鮮によるミャンマーへの核関連技術の移転疑惑を協議した・・・」 米国の関心はこれだ。 北朝鮮の核の脅威ではない。北朝鮮の核技術がテロに渡る事だ。それを防ぐため、ミャンマーであろうがイランで あろうが、あらゆる手を尽くしてそれを防ぐ。 これこそが米国の外交・安保政策の当面の最大課題だ。 当然のことながら米国の対日外交の中心も、日本をいかに「テロとの戦い」の役に立たせるか、それだけである。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年11月6日発行 第436号

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