■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年11月7日発行 第437号 □■ ─────────────────────────────── ■ 鳩山首相には今こそ石橋湛山が必要だ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 読者の皆さんから意見を募った以上、その結果を報告するのが礼儀だと思う。 日本郵政社長に斉藤次郎元大蔵官僚OBが任命された事について私はそれを批判した。 その事について読者の意見を聞かせて欲しいと書いたら直ちに十数通のメールが届いた。 いずれも私と同様、その人事はおかしいとするものばかりであった。 決して私一人の考えではなかったと確認した。 その後人事官に江利川毅前厚労省事務次官を任命するという決定が報じられた。 どのような言い訳をしようとも、これらの人事は明らかに脱官僚、脱天下り人事への逆行だ。 国民を失望させたに違いない。 そう思っていたら、11月5日の記者会見で平野博文官房長が内閣機密費の使途を公開しない方針を 明らかにし、鳩山首相がそれを追認した。 これもおかしい。鳩山首相らしくない。 いくら鳩山首相自らの考えではないとしても、その方針を了承したのは鳩山首相である。 責任は免れない。 官僚支配からの脱却と情報公開による政策の透明性は、民主党の二大マニフェストであった。 それほどの重要な事柄を、国民に十分な説明もなくあっさりと捨て去る事はやはりおかしい。 あまりにも軽すぎる。 間違いなく民主党への失望が国民の間に広がり、自民党とそれを支持する反民主党勢力の攻撃が強まって いくだろう。 しかし、私はそれでも忍耐をもって鳩山民主党に期待し、支持を続ける。それに代わる政党はがない、 という理由だけではない。 政権交代の成果が何一つ実現されないうちに再び政権抗争が始まれば、それこそ日本は危うくなる。 国民生活は更なる試練に追いやられる。そうさせてはならない。 そんな中で私が一番懸念しているのが鳩山首相の対米政策だ。 鳩山民主党政権の対米政策の不統一と混乱は、反民主党勢力をすっかり勢いづけた 今日(11月7日)の新聞を見ただけでも「日米同盟を危うくしてはいけない」のオンパレードだ。 「同盟の弱体化を避けよ」(北岡伸一東大教授─日経)。「揺らぐ日米同盟」(古森義久─産経)。 「日米の認識の落差を憂う」(香田洋二元海将─読売)、「(普天間基地移設合意の)遅れは同盟に影響」 (ローレス前米国防副次官─毎日)、「首脳会談直前 きしむ日米」(朝日)などなどである。 特に朝日新聞の記事の中に掲載されていた外務省幹部の次の言葉は噴飯ものである。 「ここ1,2カ月が勝負。失敗すれば『民主党政権とは何をやってもだめだ』という米側の評価が定着する」 このような四面楚歌の鳩山首相に対し、いまこそ鳩山一郎内閣の閣僚であった石橋湛山のごとき人物が必要だ。 そんな雑音など無視して、正しい対米関係を貫け、と鳩山首相に進言できる重要側近が現れてこなくてはいけない。 「正しい事を主張している日本であるにもかかわらず、そんな日本との関係を不要であると米国が言い出すなら、 しょせんそのような米国との関係は、決して日本にとって重要なものではないということだ」 そう国民の前で公言できる閣僚が鳩山政権の中から現れなくては嘘だ。 残念ながらそのような政治家は現れてきそうもない。このままでは鳩山首相は孤立していく。 孤立の果てに米国に従属させられていく。今までの対米従属よりもさらに悪い状況になる。 その時こそ、私が鳩山民主党に失望する時である。 何としてでもそのような事態だけは避けたいと願う。 その為に私は鳩山首相にメッセージを送り続ける。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年11月7日発行 第437号

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