■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年10月29日発行 第423号 □■ ─────────────────────────────── ■ スペインの前首相が語るイラク攻撃を支援した理由 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 10月28日の朝日新聞にスペインのアスナール前首相のインタビュー記事が掲載されていた。 私はそれに注目した。そこにアスナール前首相が「ブッシュのイラク戦争」を支持した理由が赤裸々に 書かれていたからだ。 6年半前のイラク開戦当時の報道を思い出して欲しい。あの時アスナール首相は、英国のブレア首相と 並んで「ブッシュのイラク戦争」を強く支持した。 その反発もあってか、翌04年3月にマドリードで列車爆破事件が起き200人近くの犠牲者を出した。 その直後に行われた総選挙で与党が敗北し、サパテロ社会労働党の現政権が誕生した。 当時を振り返って、アスナール前首相は、今でも自分の判断の正しさを次のように語っている。 「・・・(スペインの国民を)分断する為に(爆破事件が)利用された。スペイン史上初めてテロの責任が テロリストではなく(スペイン)政府に帰され、悪い前例をつくった・・・イラクの状況は改善された。 イラク国民にとっても全世界にとっても、サダム・フセインを取り除いてよかった・・・」 見事な自己弁護だ。ここまでの強弁を平然と言えるような指導者でないと、あの時「ブッシュのイラク戦争」に 協力出来なかったという事であろう。 しかし、私が注目したのはこのような厚顔な言い訳ではない。彼が朝日新聞記者に語った「ブッシュの イラク戦争」支持の理由である。 一つは、自ら直面してきた国内での武装抵抗組織「バスク祖国と自由」との戦いに対してブッシュ政権が 協力的だったから「米国が助けを求めて来た時にも応える義務があると感じていた」と語っている事だ。 もう一つは、イラク攻撃に反対していた仏独と対照的な立場を取る事によって、仏独に取って代わる意図が あったと次のように語っている事だ。 「スペインが欧州で物事を決める際に主導権を発揮できる国となるよう望んでいた」 このアスナール前首相の言葉を聞いて、その是非はともかくとして、少なくともスペインと言う国を率いる 指導者の考えを知った。 そしてこのアスナール前スペイン首相の言葉を聞いて、私はあらためて小泉元首相のイラク攻撃支持の理由を 知りたいと思った。 おりしも、10月20日、自衛隊イラク派遣は違憲であるという名古屋高裁の判決を勝ち取った弁護団が、 鳩山新政権に対し、いまこそ小泉自公政権が「ブッシュのイラク戦争」を支持した真の理由を検証すべく、 「検証委員会」を設置するよう要望書を提出した。 鳩山新政権には、この要望を真剣に受け入れ、早急に検証を始める事を期待する。 それは後世の日本国民のために不可欠な作業であるだけではない。 何にもまして自らのためである。 日米同盟関係を正しく構築していくためにも、不可欠な作業であると思うからである。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年10月29日発行 第423号

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