■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年10月25日発行 第418号 □■ ─────────────────────────────── ■ 鳩山民主党政権には結論を出す前にぜひとも「幻想の島 沖縄」を読んでもらいたい ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ もうこれ以上しばらく私は普天間基地の事を書く事を止めようと思う。十分書いてきた。 だけども、最後にこれだけは書いておきたい。 鳩山民主党政権は何かと言うと最後は地元住民の意見に耳を傾けるという。 鳩山首相も岡田外務大臣も北澤防衛相もそれを繰り返す。 およそ沖縄問題とは無縁と思われる輿石参院議員会長までもが、「一番大事なのは沖縄県民の合意が 得られるかどうかだ」と言い出す始末だ(10月25日東京新聞)。 まるでお守りの呪文のごとくだ。 しかし、それでは沖縄住民がいいといえばそれでいいのか。 そもそも彼らは沖縄住民の本当の気持ちがわかっているのか。 72年の本土復帰以来、沖縄住民がいかに政府・官僚の無策に翻弄されてきたかを真剣に考えた事が あるのだろうか。 いまこそ彼らは日経新聞前那覇支局長大久保潤氏の著書「幻想の島 沖縄」(日経新聞社)を読むべきだ。 この本について、私はかつてこのメルマガで、新聞に掲載されていた書評を紹介した。 私はこの週末を利用して、この本を熟読した。そして驚嘆した。 この本は、普天間基地問題の結論が出される前に、この国の指導者が読むべき本だ。日本国民のすべてが 読むべき本だ。 普天間基地問題のすべてがそこにある。沖縄問題のすべてがそこにある。いや戦後の日本の日米関係史のすべてが そこにある。 この本を読むと、湯水のように使われてきた沖縄支援や減税特別措置によって、基地住民の気持ちがいかに分断 されてきたか、がわかる。基地住民の気持ちが壊されてきたか、がわかる。 沖縄支援は、本土の沖縄に対する贖罪から来ているのではない。 対米従属政策をごまかすためだ。政治家の利権のためだ。業者の金儲けのためだ。官僚の責任逃れのためだ。 その結果住民は、支援なくしては生きられなくなってしまった。支援をもらうために基地なくしては生きられなく なってしまった。 だから住民の意思を尊重するといった場合、基地を残してくれという事になりかねない。 鳩山首相に問う。それでいいのか。それが本当の住民の意思だろうか。その意思を尊重した結果、普天間基地を 沖縄に残す事が正しいという事になるのか。 金のために基地を認めるという地元住民の「意思」を批判する事はたやすい。この本の著者が指摘するように、 抵抗心が弱くなってしまった沖縄住民に、私もいら立ちを覚える。沖縄住民が米軍基地を望むなら勝手にしろ、と 突き放したくなる気持ちに何度もかられた。 だけどもそれは間違いだ。 糾弾すべきは沖縄県民の気持ちを金で壊した政府、政治家、官僚、業者の卑劣さにこそある。 大久保氏は次のように言う。 「(外国軍基地があることの)マイナスを金銭的に穴埋めするやり方は地域のためになるのか。そもそも (米軍基地を認める事自体に地域住民の)被害と負担を上回るメリットが本当にあるのか・・・そういう事を 真剣に考える時期に来ていると思います・・・」(118ページ、第4章「アメとムチ」)。 私が鳩山民主党政権に読んでもらいたい理由がここにある。日本国民必読の書であると言う理由がそこにある。 普天間問題の結論が出される前に、この本は一人でも多くの日本人に読まれるべきだ。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年10月25日発行 第418号

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