■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年10月26日発行 第419号 □■ ─────────────────────────────── ■ 外務官僚が大使を独占する時代は終わった─宮本駐中国大使の醜聞 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 一般紙にはまったく報道されていないのだが、日刊ゲンダイが10月7日付で宮本雄二駐中国大使 の醜聞を報じていた。 豪華な大使公邸があるのに、交通渋滞を理由に一泊100万円もするホテル暮らしを続ける贅沢ぶりが 暴かれ、日系企業幹部を怒鳴りつけるという傲慢さが非難されていた。 これを読んだ時、今はやりの官僚バッシングだろう、誇張されたスキャンダル記事なのだろう、と 私は読み流した。 ところが日刊ゲンダイは10月26日付で再びこの問題を取り上げた。 その記事を読んだ外務省が、「日刊ゲンダイの記事は事実に反する」と猛烈な抗議をしてきたというのだ。 それを読んで、私は外務省の狼狽ぶりを見てとった。それどころかその抗議がとんだやぶへびになる のではないかと思った。 ひょっとしてこの日刊ゲンダイの記事とそれに対する外務省の抗議が、外務官僚が独占してきた大使人事 システムを大きく変えるきっかけになるのではないか。そういう予感がする。 その事はまた外務省という、すっかり疲弊した官僚組織の解体、民主化につながることになる。 外務省の反論は、宮本大使がホテル住まいしているのは、隣接する大使館工事のために公邸住まいが難しくなった という。 しかしそんな理由で、08年8月から今日まで一泊100万円、計約1400万円のホテル代を国民の税金で支払う 贅沢が許されると思っているのだろうか。 それが当然だと言わんばかりの外務省の体質こそ、民主党政権をもたらした国民感情と対極にある古い体質なのだ。 外務省はまた宮本大使の傲慢ぶりについて否定したという。 しかし日刊ゲンダイは、これにとどまることのない宮本大使の数々の暴言、傲慢ぶりについて確認しているという。 実は宮本雄二大使もまた、かつての私の同期だ。小泉訪朝を仕掛けたあの田中均元アジア局長と同様に京都大学 法学部でともに学び、69年にともに外務省に入省した間柄だ。 特に宮本大使と私は、三畳一間の外務省独身寮で研修時代を送った仲である。 当時の彼は決して批判されるような人間ではなかった。 その彼が変わり始めたのは外務大臣秘書官などに抜擢され、幹部の道を歩み始めた頃からであった。 そしてあの外務省機密漏洩事件で外務省の人事が変則となり、なれるはずのなかった中国大使になった 時点で、彼の傲慢さが極まったに違いない。 しかし、この事件は、単に宮本大使個人の資質の問題にとどまらない。もっと大きな外務省の根幹に かかわる問題である。 大使人事が、しかも米国、中国、ロシア、などといった大国の大使人事が、今日まで外務官僚だけで 勝手に決め、たらいまわしされ、数々の特権が私物化されてきた。 そしてそのことが一般国民の目から完全に隔離されて放置されてきた。 その事こそが問題であったのだ。 しかも、彼らが国民のためになすべき仕事をしていればいい。現状はその逆である。 自民党政治家にへつらい、米国に従属し、ロシアや中国の不当に黙り続け、結果として国益を棄損し続ける 甘い外交しか行ってこなかった。 それにも関らず、外務官僚たちは何の信賞必罰もなく、人事を自分たちだけで勝手に決めて来た。 こんな不合理が許されていたのも、自民党政権下での「政治家と官僚のもたれあい」があったからこそだ。 鳩山首相や岡田外相は、政権交代を果たした今こそ、大使人事を一新し、政治主導を示すべきだ。 日刊ゲンダイが二度にわたって報じる宮本大使の醜聞は、外交で窮地に追い込まれようとしている鳩山 民主党政権に絶好のきっかけを与えてくれるのかもしれない。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年10月26日発行 第419号

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