■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年10月21日発行 第412号 □■ ──────────────────────────────── ■ 読者とともにメディアを創るー松浦ユネスコ事務局長の評価 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 読者の一人から貴重な情報が送られてきた。秘密情報ではない。公開情報だ。 しかし日本のメディアではまったく報道されていないから誰も気づかない。 この情報を広く読者に紹介する事によって様々な思いを「共有したい。皆でこの情報を共有し合って 正しい判断に役立てたい。 権力の悪や不正義を暴き、この世の中をより公正で、正しい世の中に近づける。 私が目指す、「読者とともに目指す新しいメディアづくり」である。 この情報に気づかせてくれた読者に、他の読者とともに私は感謝する。 11月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の事務局長を退任する松浦晃一郎という外務官僚OBがいる。 私の10年先輩に当たる人だ。 駐仏大使を経て1999年にアジアから始めてユネスコ事務局長に就任した。 次官競争に敗れ、その時点で華麗なる転身をしたと言われている。 ユネスコ事務局長に当選した背景には幼馴染の小渕元首相の強い支援があったと当時報道されたりもした。 その松浦事務局長が二期10年勤めて今年11月に退任する。 松浦ユネスコ事務局長を報じる日本のメディアは好意的だ。ユネスコに米国を復帰させたとか、腐敗した ユネスコを改革したなどという「功績」がさんざん指摘されてきた。 そういえば、9月21日のパリ発共同通信は米国のアフガン、イラク攻撃の時、歴史的な文化遺産をリストアップして 米国の攻撃を回避させた、という「美談」まで報じていた。 もっともこれは退任を前にして自ら共同通信のインタビューで売り込んだ話と言うオチがついている。 いずれにしても、ユネスコ事務局長というあまり聞きなれないポストであることもあって、日本国民はそういう 立派な外務省OBか、とやり過ごしているのだろう。 ところが、そんなわが国の評価とは裏腹に、極めて厳しい評価がフランスの代表紙であるルモンドに掲載されていた とすればどうだろう。 読者から寄せられた情報はまさにこの記事についてである。 この情報を私に送ってくれた読者はこう書いていた。「松浦さんはそれでも日本政府から勲章をもらったり、 JICA総裁などに天下ったりするのでしょうね」と。 まことに鋭い指摘である。間違いなくそうなるだろう。それが日本の世の中の仕組みなのだ。 前置きが長くなった。ルモンドの記事のポイントを次に書く まず驚かされるのは、この記事を邦訳した日本語編集部の次の言葉である。 「以下は、このほど任期を終える松浦事務局長の時代に進められたユネスコ改革についての論評である。 きわめて否定的な評価であり、日本語版への掲載の是非をめぐり編集部内で激論となったが、国際機関の要職に ある日本人の業績について、国内メディアで聞かれるのは主に肯定的な評価であり、外国メディアにおける批判 が紹介される機会は稀であること、さらにル・モンド・ディプロマティークは多数の言語で発行されていることから、 この記事の和訳を提供することは我々の公共的な任務であるとの結論に達した・・・」 こういう異例の邦訳者の言葉で紹介されたルモンド紙の松浦ユネスコ局長批判は、一言でいえば、こういう事だ。 ・・・ (教育・科学・文化などの分野における自由な交流拡大を通じて世界の平和と民主主義に実現を目指すという) 崇高な理念を掲げたユネスコの事務局長に、その管轄分野とは無縁の人物として松浦氏が就いた。 その松浦氏は、ユネスコ内部の規範やルールを軽視し、事務局長としての執務を日本大使館で開始した。献身的な 職員たちがそこにユネスコの書類を運んできた。彼が行った事は、ユネスコを日本に従属させ、ワシントンから 評価される「改革」を実施するという対米従属だった・・・ 実際のルモンド紙の記事はもっと詳しく具体的だ。関心のある読者は次のサイトでルモンド紙の記事の邦訳全文を 読む事をお勧めする。 http://www.diplo.jp/articles09/0909-2.html 日本語邦訳編集部がそこでいみじくも書いている通り、この記事は単に松浦氏批判だけではなく、国際機関という 伏魔殿の腐敗と権力闘争が絡んだ記事の色彩も感じ取れる。 その要素はあると私も思う。 しかし私は松浦氏と外務省の体質を知っている。彼らの対米従属、欧米志向を知っている。 そう言えば9月26日の東京新聞にこういう記事があった。 松浦事務局長の後任者を決める選挙でエジプトのホスニ文化相が敗れたのは、日本が欧米と協力してホスニ候補の 落選を図ったからだ、とアラブのメディアが日本を名指しで批判した、と。 今から振り返ってこの記事を読み返してみると、ルモンドの記事の正しさがうなずける。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年10月21日発行 第412号

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