■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年10月18日発行 第408号 □■ ──────────────────────────────── ■ オバマ大統領の核廃絶の足を引っ張る日本 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ オバマ大統領の核廃絶演説を絶賛し、そのオバマ大統領がノーベル平和賞を受賞した事を手放しで喜ぶ 鳩山首相。 しかし、その鳩山首相は日本がオバマ大統領の核廃絶の努力の障害になっている事を知っているのだろうか。 米国の「核の傘」を熱望するわが国政府、外務省のこれまでの動きが、米国内タカ派に利用されている。 この事を正面から国民に教えてくれる日本のジャーナリスト、有識者はいない。 しかし外国の活動家、専門家は警鐘を乱打している。 10月10日付の毎日新聞「VIEW POINT」に核兵器廃絶国際キャンペーン議長のティルマン・ラフ氏 と核戦争防止国際医師会議プログラムディレクターであるジョン・ロレッツ氏が、「鳩山政権は核政策を包括的に 見直せ」と題して要旨次のように訴えている。 日本は核兵器の直接的な標的となった唯一の国であり、核兵器の本質である醜さを語るこれ以上の適任者はいない はずだ。その日本が、世界がようやく核廃絶の方向に歩み始めたという今になっても「核の傘」にこだわり、米国が 核先制不使宣言をしようとする事に反対している。 米国の強硬派は日本のそのような反対を利用し、米国の「核態勢見直し」(核戦略基本方針)を後退させようと している・・・ 10月12日付の中国新聞に掲載されていたジョセフ・シリンシオーネ氏(プラウシェアズ基金理事長)の主張は もっと詳しく、具体的である。彼は言う。 米政府関係者は現在、今後5年から10年間の米国の核政策の方向性と核保有数を決定する新しい報告書を 仕上げる為に労力を費やしている、と。 その過程で国防関係者は二度にわたり日本の政府関係者を呼び寄せ、彼らが広めた、もし米国が核兵器を削減すれば 日本は独自で核爆弾を製造するだろう、という考えを大いに利用した、と。 そしてそれが功を奏して、米政府関係者の中には、米国の核削減を日本が深く憂慮しているという話を信じる者が 出てきた、と。 こう述べた上でシリンシオーネ氏は次のように提案する。すなわち鳩山首相が本当に核廃絶を望んでいるのなら 米国の新聞に自分の考えを直接寄稿して米国内にある誤った考えを正さなければならないと。 おりしも広島では18日から「核なき世界」の国際賢人会議が開かれる。この共同議長が川口順子元外相だ。 小泉首相時代に更迭された田中真紀子外相を皮肉って「女だったら泣かされて見たい」などという迷言を吐いた 川口氏は、外務官僚のいいなりになって対米従属外交を進めた外相だった。 その彼女を賢人会議の共同議長にしたのは自民党政権下の外務省だ。 その彼女が核先制不使用に反対して、もう一人の共同議長である豪州のエバンス元外相をいら立たせて来た。 そのような日本の態度が、大学生時代から核の先制不使用に関心があったとされるオバマ大統領の判断を曇らせる 事に利用されているとしたら、こんな情けない話はない。 当然のことながらこの川口議長の消極的な態度は内外の反核NGOから猛反発を受け、核廃絶を願う日本の イメージを大きく損なっている。 いまこそ鳩山首相、岡田外相の政治指導力が問われている。 鳩山首相、岡田外相に、もしオバマ大統領によってもたらされた核廃絶に向けての世界的気運を後押しし、 日本の指導力を発揮する気があるのなら、そしてこの問題に関する鳩山首相・岡田外相両者の意見の不一致が ないのであれば、直ちに日本の代表を更迭して、政権交代後の新外交を世界に発信すべきだ。 そのような問題意識がないとすれば、鳩山民主党政権の平和外交はいかさまだということだ。外務官僚に 丸め込まれたということだ。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年10月18日発行 第408号

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