■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年10月17日発行 第406号 □■ ──────────────────────────────── ■ 核持ち込みのために日本の領海幅までも命令していた米国 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 大手新聞の報道ぶりについて、かねてから私が疑念を持っている事がある。 それは共同とか時事といった通信社が配信する情報を、大手全国紙は、ある種の配慮から、 敢えてそれを流さない時があるのではないか、という疑念である。 田母神氏が広島の平和記念式典に合わせて、同じ日、同じ場所で核保有を訴える講演をした時、 私は共同通信社に依頼されて、その田母神氏の言動を批判する寄稿を書いた。 それを共同通信が配信し、多くの地方紙がこれを掲載したにもかかわらず、全国紙は一切それを 掲載しなかった。 今度の件もそうだ。 私の住んでいる栃木県の地方紙に下野(しもつけ)新聞というのがある。 その下野新聞の10月12日付に、核搭載艦船が日本の領海を通過しないように、日本の領海幅を国際法で 認められる12カイリではなく、3カイリにとどめるように米国が日本に圧力をかけていた事実が判明した、 というのニュースが掲載されていた。 その時私はこの重大なニュースが全国紙に掲載されていないか注視したが、見つける事ができなかった。 そのすこし前、私は中国新聞の依頼に応じて、鳩山新政権の平和外交に関する有識者との座談会に参加した。 その座談会が10月12日の中国新聞に掲載され、その一部が10月14日に私の手元に送られてきたのであるが、 それを見て驚いた。一面トップにこの米国の圧力に関する記事が大きく掲載されていた。 それは共同通信の太田昌克という記者が11日に配信した記事であった。日米関係史家の新原昭治氏が 米国立公文書館で発見したという。 これだけのニュースだ。下野新聞や中国新聞に限らず、全国のかなりの数の地方紙にこの共同の記事が 掲載されていたに違いない。 しかし大手全国紙を毎日読んでいる私は、この共同の配信が大手全国紙に掲載された事をいまだ読んだ記憶がない。 なぜ私がこの記事に注目したかといえば、今年の6月に元外務次官経験者が、核持ち込みを政治問題化させない ように領海幅を制限したと証言し、それが全国紙に掲載されていた事を思い出したからだ。 その事を私は当時のメルマガで書いた。 その時は、米国からの圧力があったなどという事は一切報道されていなかった。 それどころか日本政府は、「船舶の自由な航行を保障するため」に宗谷、津軽、大隅、対嶋海峡東水道、西水道 の重要海峡を敢えて3カイリにとどめた、と、あたかも日本の自主的な判断であるとの説明に終始していた。 それが真っ赤なウソであったのだ。米国の公文書がそれをあばいてくれたのだ。 なぜこれほどのニュースが全国紙に大きく掲載されなかったのだろうか、と思う。 岡田外相は11月末までに核密約の存否に関する報告書を公表するという。 その中には米国のこの露骨な対日工作の存在も報告されるのだろうか。 その時は、核密約の存否に関する政府答弁と同様に、国益の為なら嘘をついても責任は問わない、という事で 終わってしまうのだろうか。 一ヶ月後に国民の前に公開される外務省の核密約調査報告書はどこまで真実を国民に語るのか。 岡田外相の覚悟のほどが明らかになる。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年10月17日発行 第406号

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