■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年10月14日発行 第400号 □■ ──────────────────────────────── ■ 連立政権を続ける社民党はやがて消滅していく ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「参院選挙で過半数をとっても社民党との連立は続けて行く」、そう小沢幹事長は発言したと報じられた。 この発言を聞いて社民党が喜んだとしたらとんだ見当違いだ。 社民党は「対等な日米同盟堅持」を掲げる鳩山民主党との連立政権を続ける限り護憲政党という 社民党の存在理由を捨てざるを得なくなる。 その結果自らの手で社民党を消滅させていく事になる。 そうして、政治の場で護憲を主張する政党は日本共産党だけになる。 しかしいくら日本共産党が護憲を主張しても、それは国民の間には広がらない。 かくて日本の政治から、平和憲法の大切さをひろく国民に気づかせてくれる政党がなくなっていく。 社民党の罪は深く大きい。 社民党は、政権にとどまることでハムサンドのハムの役割を果たす、などと勝手な弁護を繰り返している。 これは大きな詭弁だ。 ハムの意味とはなにか。 もしそれが雇用や暮らしの問題で弱者の味方をするという意味であれば、それは勝手な思い込みだ。 それは社民党の専売特許ではない。もはやどの政党も国民生活に配慮せずして国民の支持を得ることはない。 しかし平和の問題は別だ。 この国の国民は、日米同盟を是とするか非とするかで二分している。たとえ少数であっても憲法9条を守りたいと 強く願う国民は根強く存する。 しかもそのような平和を愛する国民は、日本共産党のようなイデオロギー色の強い政党がさけぶ護憲には 抵抗感を抱いている。 つまりイデオロギーを離れて素朴に平和を願う国民の受け皿が社民党なのである。 先の衆院選挙で社民党が得た300万票ほどの比例得票の大部分はそのような平和を愛する国民の投票だと 社民党は正しく認識すべきだ。 その社民党が、自らの生き残りのために連立政権を続け、民主党の掲げる日米同盟堅持の外交政策との矛盾に 悩み続け、そして社民党を消滅させていく。愚かなことだ。 圧倒的な勝利を得た今、なぜ民主党は連立政権にこだわる必要があるのか。 これについては、民主党がいまだ単独で参議院の過半数を占めていないからだとまことしやかに報じられてきた。 しかしそれは違う。 参院での過半数を目指すだけなら、無所属議員や自民党議員の何人かを引き抜いて達成できる。小沢幹事長に とってはそれは簡単な事だ。 そして今度の小沢幹事長の発言で、過半数の為に連立を組むのではない事が見事に証明された。 それではなぜ小沢幹事長は社民党との連立を継続するのか。 小沢幹事長は、政権交代のために選挙協力をしてともに戦ってきた関係は大切にしたいと述べた。 その言葉に嘘はないかもしれない。しかしそれがすべてではないはずだ。 私には、民主党が参院選挙で再び大勝し文字通り衆参両院の多数を占有してなお社民党と連立を組む、 その本当の理由を知らない。 しかし、小沢幹事長の意図がどこにあれ、はっきりしている事が一つある。 それは連立政権を民主党から呼びかけられる社民党が、その存在価値を失って消滅していくということだ。 きょう10月14日の読売新聞は一面トップで、仲井真沖縄知事が普天間基地の沖縄県内移設を容認する 意見書を防衛省に提出した事を報じた。 滑走路を沖合に移動し環境問題に配慮する修正が行われるのであれば受け入れるということだ。 鳩山民主党はそれで米国側と手を打つ事になるだろう。 鳩山民主党には米国のテロとの戦いは間違いだという認識はない。米国のテロとの戦いから離れ、自立した 平和外交を目指すという哲学はない。 あるのは、米国に日本側の要望を飲ませたという、「対等な日米同盟関係」のアリバイづくりだ。 鳩山民主党政権下で、たとえペルシャ湾での給油活動が中止されても、それをはるかにうわまわる 「人道支援と言う名のさらなる対米協力」が続けられる事になる。 たとえ普天間基地建設計画で多少の修正を米国から勝ち取ったところで、沖縄県民の負担は減じられる 事はない。 日米地位協定の見直しを少しばかり行ったところで、在日米軍基地はなくならず、日米軍事協力は続けられる。 対米従属であれ対等であれ、日米同盟が堅持される限り、憲法9条は踏みにじられる事になる。 そのような鳩山民主党との連立を解消しない、できない社民党は、いくら自己弁護を繰り返そうとも、 やがて平和を願う国民の支持を失い、消滅していく事になる。 小沢幹事長の深謀遠慮がそこにあると言うつもりはない。 すべては社民党という護憲政党の判断にかかっている。 目の前で護憲政党がかくもみじめな形でなくなっていく。 平和を願う国民にとっては耐えられない無念なことに違いない。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年10月14日発行 第400号

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