■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年10月12発行 第395号 □■ ──────────────────────────────── ■ 広島、長崎の五輪誘致を核廃絶へのジャンプ、すなわち着地点にせよ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ どの報道もその重要性を正しく伝えていないが、秋葉、田上両市長が11日に記者発表した2020年 夏季五輪招致提案は、核廃絶に向けての究極の提案である。その重要性と衝撃性は、いくら強調しても 強調し過ぎる事はない。 4月のオバマ大統領のプラハにおける核廃絶演説と、そのオバマ大統領の10月9日におけるノーべル 平和賞授賞発表が、核廃絶に向けてのホップ、ステップであるとすれば、広島、長崎における五輪招致の実現 は文字通りジャンプであり、着地点である。 秋葉、田上両市長は、もっともっと大きな声で、もっともっと自信を持って、自らのこの提案の素晴らしさを訴え、 そして、その実現に向けて一刻の無駄もなく動き出してもらいたい。 鳩山首相は直ちにこの提案を支持し、実現に向けて日本国民の総意を結集し、そして2013年における選考 決定に向かって日本の首相として指導力を発揮すべきだ。 今からでも遅くない。直ちに歓迎の談話を発表すべきだ。 オバマ大統領のノーベル平和賞受賞と違って、これは日本の問題だ。自らの核廃絶に関する姿勢の問題だ。 鳩山首相はなぜそれがわからないのだろう。側近はなぜ鳩山首相に助言しないのだろう。 五輪の日本招致だけを考えてもこの提案は無比だ。核廃絶という人類の悲願をテーマに招致を訴えた時、 それに反対する委員はいないはずだ。広島、長崎での2020年の五輪決定に、皆が平和の願いを託すに違いない。 確かに核廃絶は現実主義に立って考えればおよそ実現不可能と思われるほど困難な悲願だ。 しかし、理想を諦めたら前進はない。理想を目指さない生き方は人間の生き方ではない。 なぜオバマ大統領の核廃絶演説があれほど世界に感動を与えたのか。 それは、アメリカ合衆国の大統領に黒人はありえない、という思い込みを打ち砕いて大統領になったバラク・ オバマという一人の人間が、戦争国家アメリカ合衆国の大統領として、あり得ないと思われる核廃絶を 口にしたからだ。 なぜ平和の実績のないオバマ大統領にノーベル委員会が平和賞を与えたのか。それはオバマ大統領に核廃絶の 先頭に立ってもらいたい、口先だけでなく行動で示してもらいたい、そう迫ったからだ。 それが困難な事は承知の上で、困難な使命をオバマ大統領に課した以上、我々もまたそのようなオバマ大統領と ともに核廃絶実現のために覚悟を固めたからだ。 4月から10月のわずか半年の間にここまで世界が動いたのである。 オバマ大統領の核廃絶演説と、それに呼応したノーベル賞委員会の決断と覚悟。この歴史的動きに、唯一の 被爆国である日本がタイミングを逸することなく動かずして何が唯一の被爆国か。 それを訴えたのが秋葉、田上市長の今回の提案なのである。 なぜ、鳩山首相はその事がわからないのか。メディアはそれを鳩山首相や日本国民に気づかせようとしないのか。 財政負担にどう対応するかとか、再び立候補を考える東京都との競合をどう調整するかとか、政治がスポーツを 利用してはいけないとか、中には平和と競争はなじまないなどという左翼的な声まで報道されるありさまだ。 繰り返して言う。鳩山政権が、そして日本国民が、核廃絶を本当に願っているのなら、2020年の核廃絶実現に 向けて世界に発信すべきだ。 人類は核廃絶を達成して見せる。その歴史的瞬間を広島、長崎の五輪で世界が祝福する。その決意を今こそ日本は 世界に示す時である。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年10月12日発行 第395号

新しいコメントを追加