■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年10月11発行 第394号 □■ ──────────────────────────────── ■ 対米外交を鳩山首相の命取りにさせてはいけない ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 私の思いが杞憂で終わるのであればそれでいい。 鳩山首相がつまずくとすれば、それは政治献金疑惑でも、官僚の巻き返しでも、景気の二番底でもない。 対米関係の悪化ではないか、と思う。 私には鳩山首相が「対等な日米同盟」という曖昧で矛盾した標語に縛られたまま、外交に前のめりになり 過ぎているように思えてならない。そこに危険を感じる。 このままでは米国との関係が悪くなる。悪くならないまでも不信感を抱かせる事になる。 その事をおそれて妥協的な対米外交を行なえば、もとの対米従属に戻る事になる。そして対米従属から 永遠に逃れられなくなる。 だからといって、今のような曖昧で中途半端な対米対等外交を続けていくと日米関係は悪くなる。 岡田外相が東アジア共同体から米国を排除すると言ってみたり、鳩山首相が「米に依存しすぎた」などという 言葉を軽々しく使うようでは、米国はますます鳩山日本に不快感、不信感を募らせるだろう。 今からでも遅くはない。日米関係が決定的に悪化しない前に、ここで立ち止まって戦略をなり直す事だ。 私が鳩山首相に緊急提言したいのは次の諸点である。 まず岡田外相、北澤防衛相と早急に話し合う機会をもって鳩山対米外交の方針を統一することだ。 普天間基地の移設問題、東アジア共同体構想、対アフガン支援問題、核の傘からの脱却問題。これらは どれ一つとっても、日本という国の将来を決定づける最大問題だ。 これらの問題について意思統一のないまま三人の発言が迷走する現状は最悪である。 沖縄県内移転か県外移転か。東アジア共同体に米国を入れるのか入れないのか。核密約が判明した時点で 非核三原則をどうするのか。アフガン戦争を支持するのかしないのか。 これらはどれ一つとっても対応を誤れば政権が吹っ飛ぶ問題だ。 11月のオバマ大統領の訪日までに政権をかけて協議し、政策を統一させるべきだ。それが出来なければ、 政府方針が決まるまで回答を遅らせばいい。何も11月がデッドラインという事はない。 オバマ大統領の訪日を成功させようと急ぐあまり、軽はずみな対応をしてはならない。 次に行うべき事は外交方針の決定過程を透明にさせる事だ。 国連演説と言い、東アジア共同体構想といい、もしそれらがたとえば寺島実郎氏などの外部の有識者の 入れ知恵によるものであるとしたら、それはそれでいいけれど、それを明確にすることだ。 これほどの重要な助言をする者の所在が不明なままにしておく事は無責任である。 首相特別補佐官でも顧問でも、その名称や肩書はどうでもいいが、国民に見える形で堂々と公表 すべきである。 そしてその助言者と岡田外相や外務副大臣、政務官との関係を統一させることだ。もちろん最後の判断と 責任は鳩山首相が取る。そういう透明性が必要だ。 特定の助言者の考えが、そしてその責任の所在が不透明なままに鳩山外交に影響を与えるとすれば、 それは危険であり不健全だ。 最後に指摘しておきたい事は、鳩山首相は自らの外交をもっと明確に国民に示すべきだ。 憲法9条を世界に掲げて平和外交を行うのか、日米軍事同盟を最優先して米国のテロとの戦いに協力して いくのか。そこをごまかしてはいけない。国民に自らの声で知らせなければならない。 少なくとも小泉元首相は明言して対米従属に終始した。立場は違ってもその明確さは見事だった。 繰り返して鳩山首相に助言する。 対米外交は鳩山政権の命取りとさせてはいけない。 対米外交の要は安保・軍事政策であり、総理・外務相・防衛相の統一が不可欠である。 当然のことながらオバマ政権内部でも意見の対立はある。米国の出方を待つのではなく、和平派、国際協調派が オバマ大統領を動かすように働きかけていく対米外交こそ重要である。 ノーベル平和賞がオバマ大統領に与えられた事は鳩山首相にとってもチャンスだ。 そして何よりも重要な事は日本国民の声を対米外交に反映させよ。 米国が不快だと思う事を言っても、それが日本国民の声であれば米国は怒る事は出来ない。 米国は日本国民を敵にすることはできない。ましてやオバマ大統領ではそれはできないだろう。 鳩山種痘とオバマ大統領の関係は小泉、ブッシュ関係のアンチテーゼとすべきである。 鳩山首相は対米関係で追い込まれているのではない。歴史的チャンスを与えられているのだ。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年10月11日発行 第394号 10月10日の「天木直人メルマガ静岡懇親会」は活発な意見交換の中で成功裏に終わりました。 これまで全国で11回の懇親会を終え、第一ラウンドを終了しました。協力者、参加者の皆さまには 心からお礼申し上げます。 そのうち第二ラウンドを始めたいと思いますので、その時はまた皆さまのご協力をお願いします。

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