■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年10月10発行 第393号 □■ ──────────────────────────────── ■ オバマ大統領のノーベル平和賞をどう評価するか ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 次に紹介する今日のメルマガを書き終えた後で、オバマ大統領のノーベル平和賞受賞というニュースが 飛び込んできた。 この受賞については様々な意見があるだろう。なにしろ米国国内でも賛否両論があるくらいだ。 それに対する私の答えは、オバマ大統領のチェコでの核廃絶演説の評価と同じものとなる。 それが以下に紹介する、オバマ大統領ノーベル平和賞受賞の直前に書き終えていたメルマガであった。 以下引用開始 オバマ大統領の核廃絶演説をどう評価するか ある機関誌に考えさせられる投稿が載っていた。「遅まきながらオバマのプラハ演説を読んでみて」と題する その投稿は、あの演説は皆が絶賛するほど本当に素晴らしいものなのか、と問いかけている。 「みなさんはその全文を読んだ事がありますか。私は読んだ事はありませんでした。ということで、遅まきながら、 その全文を読んでみました」 こんな言葉で始まるその投稿文は、「私の英語力では時間がかかり過ぎるので、在日米国大使館のホームページに ある日本語訳で読みました、という但し書きつきである。 まず指摘していることは、これは国連や米国での演説ではなく、チェコ国民に対して話した事だという指摘である。 8400字あまりの文章の2割ほどの分量は、地元シカゴとチェコとの緊密さをアピールし、チェコの歴史、芸術、 科学、文化などを賛美し、そして私たちが今日ここにいるのは1968年のプラハの春のおかげ、つまりチェコの 人たちがソ連に抵抗したおかげでソ連は滅んだ、ありがとう、というメッセージだという。 続いてチェコの北大西洋条約機構加盟10周年にふれつつ、米国のテロとの戦いであるアフガニスタン戦争に チェコ軍が協力している事に感謝し、チェコ人の犠牲者に哀悼の意を表しているという。 そしてここからが注目されるところだとして、何千発もの核兵器の存在は冷戦が残した最も危険な遺産だと言って、 米国が核問題を作り出した元凶だと暗に認めつつも、危険なのはあくまでもそれがテロリストに渡ることだと 言っているのだ、と。 つまり米国も少しは核兵器を減らすとは言っているが、演説全体をみると圧倒的に核拡散の危険を力説している のだ、と。 そして最後は、イランの脅威に言及しつつ、チェコが米国のミサイル防衛システムの配備に同意してくれた事への 感謝を述べ、「より大きな繁栄と平和をもたらす責任を引き受けようではありませんか」とよびかけて 終わるのだというのだ。 このようにオバマ演説を要約した後で、この投稿者は次のように自らの評価を述べている。 「どうですか。これが核廃絶演説ですか。私にはとてもそうは思えません。昔ソ連の弾圧に抵抗してくれたチェコ の皆さん、ありがとう。しかし新しい敵はいまではテロリスト(やテロリストを支援する)イランなどです。 テロとの戦いに血を流してくれたチェコ兵ありがとう。テロに核を渡してはいけません。そのために米国も 核兵器を少しは削減しますが、新たに核兵器を持とうとするやつらを一緒にやっつけましょう。 イランは危険です。だから迎撃ミサイルは必要です。置いてくれてありがとう。これからもよろしく・・・」 てなもんではないでしょうか、実際、これをブッシュが言ったと言われても、さして違和感のない内容ではありませんか、と。 この投稿は鋭いところを突いている。オバマ演説の全文を読まずして、皆がそれを絶賛するからつられて絶賛する、 そういう人たちが大いに違いない。 それでも私はこの投稿者のような批判的な態度でオバマ演説を評価することは間違いだと思うのだ。 私もあらためてオバマ演説の全文を読み返して見た。そしてこの投稿者の解説を評価しつつも、なお、私は オバマ大統領の演説を前向きにとらえたい。 オバマ大統領は「核兵器を使用したことのある唯一の国として、米国は行動する道義的責任がある」と言った。 オバマ大統領は「今日、私ははっきりと宣言する。米国は平和で安全な『核兵器のない世界』の実現に全力で 取り組むと」と言った。 それが実行されるかはこれからだ。しかし、世界はその言葉に感動し、オバマ演説を歓迎した。このような言葉を 語った米国の大統領がかつていただろうか。 我々はそのオバマ大統領の言葉を、お手並み拝見だ、と傍観者のつもりで突き放すのは簡単だ。しかしそれが正しい 態度だろうか。 オバマ大統領を叱咤激励し、オバマ大統領とともにかつて誰もが出来なかった平和の偉業に挑戦することこそ 我々に求められている事である。 引用終わり オバマ大統領の今回のノーベル平和賞受賞をどう評価するか。 私の思いは複雑だ。 アフガン戦争に勝利するためにはあらゆる軍事力の行使をためらわない、と言うようなオバマ大統領は、 ノーベル平和賞に値しないと切り捨てたい気持ちはある。 しかし、彼が米国や世界に希望を与え、世界が人類が直面している困難の問題に立ち向かおうと、世界を勇気づけた 事は確かだ。 このノーベル平和賞は、オバマ大統領に覚悟を求めるとともに、世界中の人々にオバマ大統領とともに行動を起こせ と呼びかける、そういうノーベル平和賞であると受け止めたい。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年10月10日発行 第393号 本日10月10日、以下の通り「天木直人メルマガ静岡懇親会」を行いますのでふるってご参加ください。 記 場所 静岡市民文化会館(第一会議室) 「静岡市民文化会館」 駐車場あり 約260台収容 住所:静岡市葵区駿府町2-90 電話:054(251)3751 静岡駅北口 20番バス停留所から すべて静岡市民文化会館へ行きます 時間 13:00-16:30

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