なんども繰り返し書いているのだが、故小田実の数ある好きな言葉の中で、 「後になって『実は私も同じ考えでしたよ』と言い寄ってくる連中を信用しない、というのがある。 最近の二つの記事を読んでこの言葉を思い出した。 一つは10月3日の朝日新聞に掲載されていた政態拝見という政治コラムで星浩編集委員が書いていた 「 メディアも新しい発想で」という記事だ。 星編集委員はまず逢沢一郎自民党衆院議員の次のような言葉を引用する。07年9月から一年間予算委員長を つとめた経験を語った言葉だという。 「委員長席から討論を聞いていたが民主党議員はよく準備していて、追及はするどかった。わが党の閣僚らの 答弁は通り一遍で、明らかに負けていた。あの討論で、自民党はすでに敗北していた。」 この言葉を聞いた時、星委員は考えさせられたという。予算員会の論争を報じる新聞が、民主党議員が健闘し、 閣僚側が劣勢だった実態を正しく伝えてきたかと。 そして当時の各紙を読み返してみて、野党の追及の中身があまり大きく報じられていなかった事にあらためて 気づいた星委員は、これからは野党の追及の中身と閣僚らの答弁を公正に判定し、解説する、という新しい発想で、 メディアもまた変わらねばならないと述べる。 そんな事はとっくにわかっていたはずだ。わかっていながら書かなかっただけの事だ。書いていればもっと 早く政権交代が起きていたに違いない。 政権交代を遅らせるような報道姿勢を貫いていた朝日新聞の編集委員が、政権交代が起きてしまった後で、 野党の健闘を公正に報道すべきだと言ってみたところで鼻白むだけだ。 もっとも野党になった自民党の健闘を公正に報じると言っても、その質問ぶりがどこまで報道に値するものに なるかは疑問である。 もう一つは10月4日の日経新聞で元財務相の塩川正十郎氏がインタビューに答えて特別会計のいい加減さを 述べているくだりだ。 彼は言っている。特別会計というのは非常に複雑で、財務省は予算編成についての査定と配分をするだけだ、 それを評価し、監督する権限が全然、財務省にはなかった。誰が責任を持って支出を抑えたとか、支出を命じた とかの権限がはっきりしていない・・・公金でありながら非常にルーズだ・・・と。 こんな無責任な発言はない。かりそめにも財務大臣をしていた政治家の言う言葉だろうか。 それならなぜ現職の時、それを改めようとしなかったのか。 今頃になってあれは間違っていた、あれはおかしかった、と言ってみたところで、意味はない。 故小田実の言うように、そういう人間を私は信じない。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年10月7日発行 第390号 「天木直人メルマガ懇親会」を以下のとおり行いますのでふるってご参加ください。 記 10月10日(土) 静岡(静岡県)懇親会 場所 静岡市民文化会館(第一会議室) 「静岡市民文化会館」 駐車場あり 約260台収容 住所:静岡市葵区駿府町2-90 電話:054(251)3751 静岡駅北口 20番バス停留所から すべて静岡市民文化会館へ行きます 時間 13:00-16:30

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