■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年9月29日発行 第376号 □■ ──────────────────────────────── ■ 鳩山民主党が提唱すべきは東アジア非核化構想である ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 鳩山民主党の外交が東アジア共同体構想を進めようとしている。しかし鳩山民主党外交が今目指すべきは 東アジア非核化構想だ。 その理由を以下に書いてみる。 あれは1991年の連休の時であった。湾岸戦争が始まって危ぶまれたが、海部首相の東南アジア公式訪問 は予定通り行われた。 当時マレーシア日本大使館の公使をしていた私は、マハティール首相と海部総理の首脳会談の議題を何にするか、 マレーシア外務省のチュンアジア局長と連日打ち合わせをする日が続いた。 そんなある日、チュン局長が私に突然問いかけてきた。マハティール首相が東アジア経済ブロック (East Asia Economic Block)について首脳会談で提起すると閣議で発言した。自分はこの構想を初めて聞くが、 あなたは何か知っているか、と。 もちろん私は知る由もない。さすがにBlockという言葉は不穏当だということですぐにGroupという言葉に変えて 提案された東アジア経済共同体構想は、マレーシアの外務省局長も知らなかったほどの、マハティール首相自身 の構想であった。 その意図はアングロサクソンの支配を嫌うマハティール首相が、欧米、豪州などを排除した形で、アジアだけの 地域経済協力体をつくろうとしたものだ。日本の経済・技術力で東アジアの経済発展に貢献してほしいと。 降って湧いたこのマハティール首相の提案に対する日本外交の迷走はすさまじいものがあった。 アジアの地域経済協力に日本の貢献が期待される、こんな名誉な事はない。しかし米国が猛烈に反発し、 つぶせと圧力をかけてきた。 米国が反対する理由は、米国が排除された形のアジアの地域経済協力は認められないというものであった。 これだけでも傲慢なものであるが、本当は日本がアジア地域経済協力の中心となる事が許せないというもの だったと情報通は語っていた。 米国に逆らうことはできない。かといってマハティールの顔をつぶす事は得策ではない。 板ばさみに苦しんだ日本は、構想の中身がよくわからない、もっと詳しく説明を聞きたい、などとと言いながら マハティール首相への回答をさんざん遅らせ、挙句の果てに断ってしまう。 結局この東アジア共同体構想はその時は日の目を見なかったが、それから20年近くたって、今やアセアンと欧米、 日中韓を交えた協力関係は様々な形で進むことになる。 マハティールは去り、米国一局支配の時代は終わり、中国がアジアの大国として浮上する。世界はG-8から G20の時代に移りつつある。 東アジア共同体構想を日本の総理の口から言い出せるようになった。 しかし同時にその意義は急速に薄れつつある。 米国一辺倒の外交からアジア重視へと舵を切る。そう鳩山民主党は説明するが、それは日本の勝手な理屈だ。 鳩山首相が国連総会演説で東アジア共同体を呼び掛けても、多くの世界の国は反応を示さなかった。 EUや北米自由貿易体制(米・加・メキシコ)と並ぶ地域経済協力づくりを言い出しても、それは東アジア 域内関係国の関心でしかない。 しかも東アジア地域はそれを歓迎しているのか。少なくとも中国はそうではない。 もはや米国と並んで大国になったと自負する中国は、米国との二国間関係を最優先する。いまさら日本と一緒に なって東アジア共同体などに熱心になる理由はどこにもない。 その意味で、鳩山首相がこの問題を胡錦涛との首脳会談で持ち出した事は中国を牽制する意味で意義があった。 この問題を持ち出されて中国はぎょっとしたに違いない。米国と中国で世界を支配しようと考える中国にとっては 日本の顔を立てるが、米国との関係を損なわない程度につき合う。その程度のものでしかないのだ。 鳩山首相が提唱するのは東アジア共同体ではない。東アジア非核化構想である。 核廃絶を提唱するオバマ大統領の米国の流れにかなう。 核超大国を目指す中国を牽制する事ができる。核廃絶の世界的流れの中で、中国は東アジア非核化提案をむげに 否定するわけにはいかない。 北朝鮮に対してもメッセージを送る事ができる。 何よりも、平和憲法を有し、非核三原則を堅持する日本が東アジアの非核化を唱える事に誰も反対できない。 世界から歓迎される。 鳩山首相のブレーンは誰かしらないが、その事に気づくべきだ。 ──── 天木直人のメールマガジン 2009年9月29日発行 376号 以下のとおり「天木直人メルマガ懇親会」を行います。自由にご参加ください。 記 10月03日(土) 豊橋(愛知県)懇親会 場所 豊橋市民文化会館 第三会議室 〒440-0862豊橋市向山大池20-1 TEL:0532(61)5111 FAX:0532(64)1356 豊鉄バス(豊橋駅前4番乗り場) 岩田団地線・西口線・飯村岩崎線・金田住宅線台町 バス停下車徒歩3分 駐車場158台 時間 13:30-16:00 10月10日(土) 静岡(静岡県)懇親会 場所 静岡市民文化会館(第一会議室) 「静岡市民文化会館」 駐車場あり 約260台収容 住所:静岡市葵区駿府町2-90 電話:054(251)3751 静岡駅北口 20番バス停留所から すべて静岡市民文化会館へ行きます 時間 13:00-16:30

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