■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年8月17日発行 第311号 □■ ──────────────────────────────── ■ リチャード・ギアと忠犬ハチ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 久しぶりに映画館に足を運んだ。私の妻は昔からリチャード・ギアのファンである。誘われてリチャード・ギアが 演じる「ハチ 約束の犬」を観るためだ。 那須塩原市には映画館がない。宇都宮市まで車を一時間ほど走らせて観に行った。もっとも私は運転せずに外の景色を 眺めているだけだったのであるが。 最近ますますものぐさになりつつある私が、なぜその映画を見る気になったか。それはその日(8月16日)の 日経新聞にリチャード・ギアがその映画の事を語っている記事を読んだからだ。 そこには彼の言葉でこう綴られていた。 ・・・日系3世のプロデユーサーから渡されたシナリオを読み、「子供のように泣いた」。「翌日読み直しても また涙。時代や国境を超えて人の心に訴えかける何かがある。映画を作る意義があると思った」・・・ そう言う彼は上野教授の役を演じる一方でプロデユーサーも買って出たという。 「ハチに瞑想する僧侶のような姿を見た。一つの道を進み、時間も何も関係なく無心に待つ。その行動が美しい。 ハチは忠義さえ超え、犬でも人間でもない特別な存在なんだ」 こう語るリチャード・ギアは米フィラデルフィア生まれのまぎれもないアメリカ人である。 その日の新聞は、アフガンやパレスチナの相次ぐテロを報じていた。イラクの政情も一向に安定しない。すべては 米国のテロとの戦いの誤りから来ている。その事をメールマガジンで書こうとしていた時に映画に誘われた。 テロとの戦いを力づくで行うのも同じアメリカ人である。そう思いながら出かけた。 実は私は犬が好きだ。その事もあって子供のころから忠犬ハチ物語のファンである。映画や物語で何度も観たり 読んだりしてきた。リチャード・ギアほどの哲学的思いはないが、その都度単純に感動する。 いつかの月刊誌文芸春秋で、上野博士の子息という人が、こう言えば身も蓋もないが、と断りながら、実はハチは 父親の帰りを待ち続けたのではなく、駅員がくれる餌を求めて上野駅に通い続けたのだ、と語っているのを 目にしたことがある。 その時私は、そういうことなのかと笑ってしまった。しかしその一方で、しかしそれだけではなかったかもしれない、 餌もほしかったけれど、最初は上野博士に会いにいったのではないか、リチャード・ギアが映画の中で語っていたように、 お前が話せたら気持がわかるのだが・・・上野博士の子息にハチの本当の気持ちがわかるはずはないのに、なぜ そう断定できるのか、と思ったりもした。 そんな昔の事を車の中で考えていた。考えはさらに広がって、私の好きな島木健作の短編小説「赤蛙」の一説を 思い浮かべていた。 肺結核をわずらった島木健作が療養のために伊豆の温泉地に宿泊し、いつものように夕暮れ時を散歩していた時の エピソードを綴った作品である。 赤蛙が川の向こう岸に渡ろうとしていつも川の中ほどで急流に流される、しかし、流されても、流されても、 同じ場所にあらわれて、再び川向うにむかって飛び込む、その光景を眺めながら主人公の島木健作が述べる言葉である。 人はそれを科学的に簡単に説明するかもしれない、川の流れが淀んだところを見つけて渡れば簡単に向こう岸に 渡れるのに、あわれな蛙の脳にはその考えが及ばない、ただそれだけだと。 そうかもしれない。しかし今の私にはそのようなもっともらしい解説は要らない。私には赤蛙がわざと困難な道を選んで 川を泳ぎ切ろうとしているように見える。その姿が私に不思議な感動を与えてくれる、そのことが今の私には 大切なのだ。いつもは夢を見ない私であるがその時は鮮やかな赤い背中を見せた赤蛙の夢を見た私であった・・・ あらましそんな内容の一節であったと思う。その事を私は車の中で思い浮かべていた。 映画の事を書くつもりが横道にそれた。映画はどうだったかって?ハチ公物語はいつも同じ場面で私は涙を流す。 それはリチャード・ギアの映画でもまったく同じであった。 人はみな死んでいく。愛する人と別れなければならない。リチャード・ギアとあの犬もそうだ。 映画を観た後しばらくは、日本の政治の事や選挙の事など、どうでもいいつまらない事のように思えた。 ───────── 天木直人のメールマガジン 2009年8月17日発行 311号 お知らせ 天木直人メルマガ懇親会のおしらせ 以下のとおり懇親会を再開しますのでご案内申し上げます。 参加費は無料。ただし会場借料を参加者の人数に応じて分担させていただきます。概ね100円から 500円見当です。 当日は受付も何もしません。無断欠席、途中参加、退席自由です。 おおよその出席者数を承知しておきたいので、参加予定の方はメールで天木まで一報いただければ幸いです。 なお会議場を手配いただいた読者の皆様におかれましては、以下の情報に訂正、追加事項がありましたら 天木までメールでご教示いただければ幸甚です。 またこれら懇親会のほかに、私が失念している懇親会予定がありましたら、関係する読者におかれましては ご指摘いただければ幸甚です。 記 8月22日(土) 小淵沢(山梨県)懇親会 場所 生涯学習センターこぶちざわ (小淵沢教育センターとお知らせ しましたが、正確には小淵沢生涯学習センター です。訂正させていただきます。) 山梨県北杜市小渕沢町7711 電話 0551-42-1495 時間 午後13:00-16:30 9月05日(土) 鶴岡(山形県)懇親会 場所 鶴岡市出羽庄内国際村(2階和習室) 時間 13:30-16:30 9月13日(日) 徳島(徳島県)懇親会 場所 徳島氏ふれあい健康館第2会議室 徳島市沖浜東2-16 電話 088-657-0190 徳島駅前市営バス3番乗り場 「ふれあい健康館行き」終点下車 時間 13:00-17:00 9月20日(日) 名古屋(愛知県)懇親会 場所 愛知県勤労会館鶴舞プラザ 名古屋市鶴舞(JR中央線、地下鉄鶴舞線鶴舞駅下車徒歩7分) 鶴舞駅下車徒歩6-7分) 時間 13:00-17:00 10月03日(土) 豊橋(愛知県)懇親会 場所 豊橋市民文化会館 時間 13:30-16:00 10月10日(土) 静岡(静岡県)懇親会 場所 静岡市民文化会館(第一会議室) 「静岡市民文化会館」 住所:静岡市葵区駿府町2-90 電話:054(251)3751 静岡駅北口 20番バス停留所から すべて静岡市民文化会館へ行きます 時間 13:00-16:30

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