■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年7月29日発行 第281号 □■ ──────────────────────────────── ■ ゴラン高原への自衛隊派遣延長は税金の無駄遣いだ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 政府は7月24日の閣議で中東ゴラン高原への自衛隊派遣延長を決めた。この事について翌日の各紙は 当然のことのように一斉に報道していた。 この記事を読んだ読者の中のはたして何人が、問題意識を持って読んだことだろうか。 この政策決定は今本当に必要なのか、そのことを誰も考えた事がなかったに違いない。 閣議決定をした閣僚のただの一人も、この延長決定の意味がわかっていなかったと思う。 外交・安保政策が官僚に丸投げされている好例である。 シリアの領土であったゴラン高原は、1973年10月に発生した第4次中東戦争において、イスラエルが軍事占領 した地域である。 停戦後も軍事的に不安定な状態となっていたため1974年5月の安保理決議でゴラン高原に両国間の 兵力引き離し地帯を設置することと、停戦監視部隊を派遣することを決めた。 以来平和維持活動として国連監視軍が派遣されてきた。 しかし、ゴラン高原は幸いにも活動開始以降、重大な軍事交戦は発生していない。 日本政府は、ゴラン高原が安全であることを見極めた上で、遅ればせながら1996年より国際貢献を掲げて 自衛隊部隊を派遣してきた。 以来自衛隊派遣が自動延長のごとく継続されて今日に至っている。 関係者の間では「もっとも安全な平和維持活動」」というのが定着している。 今回の派遣延長も、まさしく惰性のように、あるいは防衛省の既得権益のごとく、何の議論もなく行われた。 問題は、その必要性が、もはやとっくになくなっていることだけではない。 米国が最近シリアとの関係を 急速に改善しようとしている事だ。 7月27日の日経新聞は、中東訪問中のミッチェル特使がシリアの首都ダマスカスでアサド大統領と会談したと報じた。 7月28日の毎日新聞は、米国が対シリア制裁の一部を一時停止したと報じた。 7月29日の読売新聞も同様に、米国ウオールストリートジャーナル紙の記事を引用して制裁緩和の動きを報じている。 これを要するに中東和平の包括的促進のために米国はシリアを懐柔しようとしているのだ。 それは言いかえれば イスラエルとシリアとの関係がさらに安定するという事でもある。 そもそも米国・イスラエルとシリアの関係は、表で争うふりをして裏で手を結んでいるといわれ続けてきた。ゴラン高原 での有事などとっくに終わっているのだ。 そのような中東情勢の現実などお構いなしで、国際貢献というアリバイづくりのために、あるいは自衛隊予算の確保、 権限保持のために、送り続けられているのがこの自衛隊のゴラン高原派遣である。 今度の延長は明年3月末までの半年間の延長であるという。しかし半年後にどうなるのか見ているがいい。中東情勢の さらなる安定があったとしても、何の議論もなく、再び延長されること間違いない。 ───── 天木直人のメールマガジン 2009年7月29日発行 第281号 2. 副島隆彦氏との対談を、政権交代のゆくえ、米国覇権の終焉 というテーマ を中心に、7月28日に行いました。 その録画が近くまぐまぐ社から販売されます。

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