■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年7月7日発行 第249号 □■ ──────────────────────────────── ■ これが官僚支配の現実である ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 官僚支配の何が問題か。それは官僚たちが、国家権力を国民のためではなく「自分たち」の利権のために ほしいままにしている事である。 ここでいう「自分たち」とは、官僚だけの事を指しているのではない。官僚ともたれあう一部の政治家や財界、業界など を含む。いわゆる権力に群がる仲間うちである。 この事を示す象徴的な記事を7月6日の毎日新聞と産経新聞に見つけた。 毎日新聞「風知草」で専門編集委員の山田孝男氏が書いていた。 日本の高速道路料金は世界でも一番高い。それを引き下げて流通を活性化する政策をなぜ取れないのか、と。 自民党のベテラン議員に水を向けたら、即座に「新幹線をどうする」と反問されたという。 新幹線と高速道路はもたれ合って高めの料金設定を維持し、国民から吸い上げた分け前を山分けしあっている のではないか、と山田氏は疑う。 山田氏が調べて見たら、新幹線を乗り継いで青森(八戸)から鹿児島までいく場合の運賃・特急券合計3万9470円 に対し、高速道路料金は3万9250円であるという。見事な一致だ。 いくら「民営化された」といっても、交通料金は政府の指導の下に置かれている。自由競争で決まるわけではない。 高値で均衡させられているのだ。 もう一つの記事は産経新聞の「底流 ニュースの裏側」である。 「国策の裏にからむ利害」、「官民泥沼のエルピーダ支援」などという見出しで書かれたその記事は、公的資金を活用 して一般企業に資本注入する、いわゆる緊急措置の適用第一号である半導体大手のエルピーダメモリ社救済劇の裏側を 書いている。 そこに見られる官僚たちのエゴを教えてくれている。 「日本のハイテク産業を支える半導体メーカーはつぶせない」という「国策支援」の裏には、経済産業省の省益がある。 産業界への影響力が低下した経済産業省にとって経済危機は復権の好機だ。公的資金で助けてやる、という貸しを作り 企業への影響力を回復しようとする。 財政支出という専権に手を突っ込まれ不快感を示す財務省ではあるが、管轄下にある日本政策投資銀行(政投銀)の 完全民営化先延ばしのためには好都合だ。民間企業の救済は民間金融機関では出来ない、という訳だ。 そのかわり支援総額1600億円のうち400億円の投融資しか出さない。大部分は大手4銀行(三菱東京UFJ、 三井住友、みずほ、住友信託)に出させる。 エルピーダが破産すれば税金を使っても倒産を防げなかったのか、と国民からの批判をあびる。そもそも経済産業省が 勝手に決めた案件にまともにつきあう気は無い。 ツケをまわされた大手4銀行は勿論不満だ。「損失が出ても政府が8割も補填してくれる日本政策投資銀行なのだから、 もっと出せるだろう」というわけだ。 しかし、煮え湯を飲まされたかに見える民間銀行も、実はしたたかだ。政投銀が完全民営化されずに残っていて欲しい。 そしてリスク案件を引き受けて欲しい。自分たちはリスクを取りたくないのだ。 どいつもこいつも自分の事ばかりを考えている。少しでも有利な条件を勝ち取ろうと、その事ばかりを考えている。 国民の事など、はじめから眼中にない。 ───────── 天木直人のメールマガジン 2009年7月7日発行 249号

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