■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年7月4日発行 第245号 □■ ──────────────────────────────── ■ こういう人と世直しをしたい(その2) 木村盛世さん ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 私は4月13日のメルマガ第144号で、こういう人と世直しをしてみたい、と題して、都立三鷹高校の前校長で ある土肥信雄さんの事を書いた。 言論の自由を封殺する東京都教育委員会に正面から対決した反骨の人である。 そのメルマガがきっかけで土肥さんと知り合いになることができた。ともに協力しあえる仲になった。 そして今度は木村盛世さんである。医師であり同時にまた厚生労働省の医系技官という肩書きの女性である。 潮が引くかのごとく関心が薄れてしまったあの新型インフルエンザ騒ぎ。あれは何だったのか。 その大騒動が厚生労働省の失態によってもたらされた事は、もはや識者がこぞって指摘するところである。 厚生労働省の官僚たちは、過度に危機を煽り、医学的には防止不可能な水際作戦に奔走し、肝心の医療機関の受け入れ 態勢を整える事をおろそかにした。 その官僚の神輿に乗ってパフォーマンスに明け暮れたのが舛添厚生労働大臣だった。 この事を、「厚生労働省崩壊 天然痘テロに日本が襲われる日」(講談社)で誰よりもいち早く告発していたのが 木村盛世さんだった。まだ新型インフルエンザ騒ぎが起きていない時である。 木村さんの警告は新型インフルエンザではなく天然痘についてである。しかしどのような感染病でも、厚生労働省の 抱える問題は同じだ。 今の厚生労働官僚には、そして権力に迎合して医学的知見を政治的に歪めてしまう医系技官たちには、国民の安全は 任せられないのだ。 私はその著書が出版された3月末にいち早く購入し、通読していた。そしてこのメルマガを書くために、もう一度熟読した。 熟読してあらためて木村さんの非凡さを知った。彼女と厚生労働省との壮絶な戦いを知った。 「ある(厚生労働省)幹部が、『私たちは国民に目を向ける必要はない。大切なのは内部のボロがいかに外に出ないように するかだ』と言うのを聞いたとき、私は目の前が真っ暗になりました。 こうした中で、私のように自分の意見を言ったりする人間は中枢から外されていきます・・・」 このような衝撃的な、しかし紛れもない真実の記述が、全編至るところに出てくるこの著書は、単に厚生労働省に向けられた 告発本にとどまらない。 そこで提示されている諸問題は、およそすべての省庁に共通するこの国の病理である。 だからこそ、この真実を厚生労働省の内部から糾弾した木村さんは、厚生労働省から徹底的に疎外され、左遷され 続けたのだ。 今回の新型インフルエンザ問題について彼女は5月28日の参院予算委員会で民主党に招致されて発言した。 その過程で木村さんを国会に招致させるわけにはいかないという厚生労働省の強い抵抗があった。 最後は参考人として国会で発言することになった木村さんは、今度はその国会発言に対し政府・与党からの激しい 野次が飛んだ。 この事は、しかしまた、木村さんの発言を政府・厚生労働省がいかに怖れ、警戒しているかの証左でもある。 私が木村さんに敬服するのは、そのような職場いじめ、排斥、孤立にもかかわらず、決して厚生労働省を辞める事は しない、組織の中にとどまって内部から発言し続ける、改革してみせる、という決意である。 その意思の強さと正義感に、さすがの私もたじろぐ。 土肥さんと同じように、私は木村さんとは一面識もない。そんな木村さんと世直しをしてみたい、と私を思わせた 「厚生労働省崩壊」(講談社)という著書。 この著書は政府・厚生労働省にとっては国民に読まれたくない本である。出来るだけ注目されないように抑え込もう としているに違いない。 しかし私は読んでしまった。元官僚の私から言わせれば、これが厚生労働省の現実の姿なのだ。いや官僚組織全体の 姿なのだ。 官僚支配がこの国をここまで悪くした。それに国民は気づき始めた。脱官僚が政権取りの合言葉になるようになった。 いまこそ木村さんの著書が注目される時だ。その本を書いた木村さんこそ、私がともに世直しをしたいと考える人である。 ───────── 天木直人のメールマガジン 2009年7月4日発行 245号

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