■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年6月29日発行 第239号 □■ ──────────────────────────────── ■ 新聞が黙殺した小泉純一郎の敗北 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 6月28日に行なわれた神奈川県横須賀市の市長選挙で、現職の 蒲谷亮一(64)市長が、新顔の吉田雄人氏(33)前市議に敗れるという 注目すべき出来事が起きた。 横須賀市といえば小泉純一郎元首相のお膝元だ。しかも小泉元首相が次男 ともども頻繁に応援を繰り返していたという。 01年の首相就任以来、一度も横須賀市内で街頭演説をしたことがない (29日朝日)小泉元首相が、である。 そこまでして応援した現職の市長が新人候補に敗れたのだ。これは一大政治 ニュースではないのか。 それにもかかわらず、この事を報じた29日の全国紙は朝日だけである。 しかも小さく、事実を報じただけだ。 もちろん各紙はその地方版でこのニュースを取り上げているに違いない。 しかし、これは地方版のニュースにとどまるものではない。全国の国民が知る 価値のある一大政治ニュースだ。 おりから解散・総選挙の話で連日政治ニュースは持ちきりだ。中川秀直とか 武部勤などといった小泉一派と麻生自民党の亀裂も日増しに高まっている。 これから総選挙までの間に起こりうる自民党の分裂と新党の動きに関しては、 小泉元首相の動向が話題にされるだろう。いまでも残る小泉元首相の政治的 影響力である。 実は、今から一週間ほど前、私は読売新聞横須賀支局の記者からインタビュー を求められた。 横須賀から那須塩原までわざわざ「出張」してきたその記者は、「今度の 選挙では現職市長が苦戦すると伝えられているが、だからといってなぜここまで 小泉元首相が市長選挙の応援に熱心になるのか。4年前に横須賀で小泉首相を 相手に闘った経験のある天木さんの意見を是非聞きたい」、というのだ。 その時、私は横須賀市で市長選挙があるなどとはまったく知らなかった。まして や小泉元首相がそこまで現職の市長を応援しているとは知らなかった。 私は思いつくままにとりあえず次のように答えた。 「原子力空母寄港を許してまで対米従属を貫いた小泉さんにとって、辞めた後に それを否定されるのが耐えられないのではないか、郵政民営化が否定されることに 耐えられないのと同様に・・・」 「市長選の応援にかこつけて次男の選挙運動を行なっているのではないか・・・」 しかし、その時私が一番強く思ったのは、そこまで応援して現職の蒲谷市長が 負けるはずはないだろう。もし負けたとすれば、小泉元首相の政治的影響力は 終わったということだ、というものであった。 そして結果は、私にとっては予想もしなかった蒲谷市長の敗北である。 これほどの政治ニュースを全国紙がまったく報じないのはいかにも不自然だ。 自ら支え続けた小泉元首相の政治生命の終わりを認めたくないのだろうか。 現職市長の敗北を大きく報道する事によって、小泉元首相の影響力の低下に、 自らとどめを差すのを避けようとしたのだろうか。 おりから6月29日の産経新聞は直近の世論調査の結果を掲載していた。 それによると、次の首相にふさわしい人として、一位が鳩山由紀夫氏の 15.0%、二位が舛添要一氏の8・4%、以下岡田克也氏 7.8%、 東国原英夫氏 7.6% そして小泉純一郎氏 5.8% 麻生太郎4.6% と続いている。 小泉元首相の政治生命は終わってしまったのだろうか。この事については 機会をあらためて書くことにしたい。 ──────────────── 天木直人のメールマガジン 2009年6月29日発行 239号

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