■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年6月17日発行 第226号 □■ ──────────────────────────────── ■ 日米関係をつなぎとめる役割を背負った日本人 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 普通の読者であれば、まず気づかない記事がある。その事についてどうしても 書いておきたいと思った。 6月12日の読売新聞のコラム「論点」に、山本正なる人物の論説があった。 肩書きは日本国際交流センター理事長。73歳とある。 その論説は、日米間の知的交流活動が、中国や韓国と米国の活動と対比して 不振である事を憂いている。 その原因は、米国側シンクタンクが安全保障や経済分野での関心を日本から 新興国へ拡散していることであるが、もう一つの理由は経済危機からくる助成 予算の削減であるという。 その現状を改善するために、米国が関心を持つ国際医療・保険の分野での あらたな日米関係を構築すべきだ、と山本氏は提案する。 その為に日本政府や企業による財政支援が望まれる、と要望する。 国際保険分野の主要資金源であるビル・ゲイツ財団も、金融危機で資産が 20%減少したが助成金は増やしていると、日本人が弱いビル・ゲイツの名前 をわざわざ持ち出す。 日本政府や官僚たちが、政治・外交やや安全保障の分野での日米関係の空洞化 を、ジャパンパッシングだとかジャパンナッシングなどという言葉で嘆いている ことはもはや周知の事だ。 それが知的交流活動にまで及んでいるということだ。 しかし、それにしてもなぜ日本国際交流センター理事長が、日米関係の知的 交流活動の不振を新聞紙上で嘆くのか。 そして将来の日米協力分野として米国側が関心のある医療・保険を特定し、 財源を日本側が積極的に負担すべきだと要望するのか。 このような論説をいま、何故、読売新聞がいま大きく取り上げるのか。 そもそも日本国際交流センターなる組織とは何か。山本正理事長とは何者か。 私の手元に一冊の本がある。米国のジョン・G・ロバーツ著の「軍隊なき 占領」(講談社α文庫)なる本である。 そこに書かれている数々は、戦後様々な日本人が米国との緊密な関係を保持 して米国の日本占領を手助けした史実を示している。 その中で山本正氏は、「デビッド・ロックフェラーの日本秘書」として、 70年代の日米関係構築に重要な役割を果たした人物とされている(236頁)。 そういえば山本正という名前は私が外務省で駆け出しの頃、日米交流や日米欧 三極委員会の話になると決まって出てくる名前だった。幹部たちが畏敬をもって 口にする人物だった。 要するにこの論説が意味する事は、日米関係の空洞化は、ついにフィクサーの 手を借りてまで防ぎとめなければならなくなったということだ。 かつては米国から資金提供を受けて米国の日本占領に一役買っていた者たちが、 いまや米国の意向を受けて、ついに日本政府や企業に財政支援を要求するように なったということだ。 そうしないとますます米国は日本離れをすると言っているのだ。 日米関係はフィクサーの役割までもが小さくなりつつある。 ──────────────── 天木直人のメールマガジン 2009年6月17日発行 第226号 発行者:天木直人 著者ブログ: http://www.amakiblog.com/ 読者の皆様からのメールをお待ちしております。

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