■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年5月31日発行 第204号 □■ ────────────────────────────────── ■ 麻生政権の断末魔(麻生首相は西川日本郵政社長を更迭できるか) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 目を疑う話が、発売中の週刊朝日6月5日号に載っていた。 「西川善文社長のクーデターか!? グダグダにされた麻生後任人事案」と いう見出しの、ジャーナリスト松田光世氏の記事である。 その中で松田氏は要旨次のように書いている。 ・・・麻生首相は西川社長を6月の株主総会で交代させるため、後継人事案 を総務省幹部に電話で伝え、それを奥田(碩・トヨタ自動車相談役)氏から西川 社長に伝えてもらうように指示した。日本郵政を訪ねた奥田氏は社長室で西川 社長に麻生首相の意向を伝えた。 ところが奥田氏が社長室を出て10分後に、菅義偉自民党選対副委員長から 麻生首相に抗議の電話があった。「オレが総務相の時に決めた人事を何の相談も なくひっくり返すなら、もう支えられない。民営化に逆行すると小泉チルドレン が騒ぎ出しますよ」と凄い剣幕でねじ込んだ。小泉元首相からも、西川続投を 認めないと政局になる、と麻生首相に電話があった。 麻生首相にとって、小泉元首相らが「麻生降ろし」に動き出すのは怖い。かと いって、「西川続投なら、私をクビにしてからにしてくれ」と側近の鳩山総務相 が言う。これ以上閣僚を辞任させれば麻生政権はアウトだ。 麻生首相が明確な方針を打ち出せない隙に、日本郵政は5月18日の指名委員会 で西川社長の続投を決めた・・・ この松田氏の記事を裏づけるように、5月25日の日経新聞の「西川・日本郵政 社長の進退 自民党内対立激化」という記事の中に次のようなくだりがあった。 ・・・小泉元首相も動いた。5月15日、指名委員会のメンバーである複数の 経済人に電話をした。「政治と経営の判断は違っても構わない。経営者の判断で やってくれ」。鳩山総務相が西川氏続投に反対するようメンバーに水面下で働き かけていたのを察知し、巻き返しを図ったのだ・・・ これらが事実であれば、麻生首相の自民党内の指導力は驚くほど脆弱だという ことだ。首相の決断力など、もはや存在しないという事だ。 週刊ダイヤモンドの5月23日号は「日本郵政の暗部」という特集記事を 組んでいた。その特集記事は、日本郵政の闇は「かんぽの宿」売却問題だけでは ない事を教えている。 組織ぐるみの不正郵便事件、簡保不払いの情報隠蔽など、次々と噴出する 日本郵政の不祥事は、本気で追及すれば日本郵便が吹っ飛ぶほどの深刻な問題 である。 そしてその原因は、小泉・竹中主導で構成された日本郵政の人事の恣意性と、 その人事でもたらされた日本郵政幹部たちの不統一性にある。 そこには、国民の利権を仲間内で食い物にするこの国の政・官・財のもたれ あいと、内輪揉めのすべてが凝縮されている。 もはや日本郵政の民営化がこのままの形で進められていくという事はありえ ない。このまま民営化が進められる事は決して国民のためにはならない。 5月15日、野党三党は西川日本郵政社長を特別背任未遂などの疑いで刑事 告発した。 その西川社長を続投させるような日本郵政に、正しく民営化を進められる はずはない。 西川更迭問題は6月の株主総会に向けて、間違いなく麻生首相の大きな政治 課題の一つとなる。 麻生首相が自らの手で西川社長を更迭することができないとすれば、もはや 解散・総選挙どころの話ではない。統治者能力のない者にこの国は動かされて いるということだ。 それにしても小泉元首相は酷い政治家だ。自分の意地と保身のためにここまで 政治を混乱させる。そこには国民への視点はない。麻生はおろか自民党に対する 配慮さえもない。日本郵政のためですらない。 今の彼の頭にあるのは次男を政治家にすることだけに違いない。しかし 一体何の為に? 麻生首相には、せめて小泉・竹中一派には勝ってもらいたい。そんな気に もなる。 ──────────────────────────────────── 天木直人のメールマガジン 2009年5月31日発行 第204号 発行者:天木直人 著者ブログ: http://www.amakiblog.com/ 読者の皆様からのメールをお待ちしております。このメールマガジンに返信して いただければ、著者まで届きます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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