■□■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年5月29日発行 第202号 □■ ────────────────────────────────── ■ 麻生政権の断末魔(腰砕けした厚労省分割案) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 私は今年の1月1日から休むことなくメルマガを発信してきた。その私が 200回を超えてはじめて書き続ける事に行き詰まった。 書く事がないからではない。麻生政権の末期状態に目がくらむ思いがした からだ。 もはや政権交代どころの話ではない。この国は機能停止なのだ。そのあまり の問題の深刻さに、しばしたじろいでしまったのだ。 あれほど西松問題で悪あがきした麻生首相は、支持率をわずかばかり上げた のも束の間、民主党代表の交代をきっかけに、坂道を転げ落ちるように、 あらゆる面で矛盾を露呈しつつある。 こうなればもはやどんな事をしても復活は望めない。後は自公政権の崩壊と、 それをなんとか食い止めようと悪あがきする麻生首相を眺めるだけだ。そう 思ったとたん、書く気が起こらなくなったのだ。 しかし、自らに鞭打って、目の前に繰り広げられている「麻生政権の断末魔」 を象徴するいくつかの問題について、書いてみようと思う。 きょう5月29日の報道は、「腰砕けした厚生労働省分割案」の事を一斉に 取り上げている。この問題はまぎれもなく麻生首相の断末魔を象徴する事件の 一つである。 5月15日の「安全社会実現会議」において渡邊恒雄読売新聞グループ会長 から出されたという分割案は、それ自体は間違っていない。 なぜ渡邊氏の意見を取り入れるのか、なぜ渡邊氏がそこまでの影響力がある のか、という問題はある。 しかしこの分割案そのものは、必ず将来再び取り上げられる問題である。 なぜならば2001年の橋本龍太郎内閣の目玉であった中央省庁再編は、 実は大きな失敗であったからだ。 無理をして省庁を合併させ、省庁の数だけは減らしたけれど、行政の省力化、 効率化はまったくなされなかった。この失敗は当時の秘書官であった江田憲司 衆院議員さえ認めている。 だから厚労省分割は、すべての省庁の再々編成という大事業の一環として、 早晩必ず行なわれなければならない。それは一大事業であり、弱体の麻生政権 では出来るものではない。 それにもかかわらず、厚労省分割を次の総選挙の目玉にしようと飛びついた ところに麻生首相の軽薄さがあった。 そして、わずか二週間の後に党内の反対にあってあっさり撤回せざるを えなかったところに麻生首相の非力が露呈した。 それにもかかわらず、「最初からこだわっていない」と言い訳をした。そこ に麻生首相の潔さのなさを見る。 しかしこの「腰砕け」の本当の理由が、保育所と幼稚園の行政一元化に反対 する文部官僚と文部族議員の抵抗にあったという事実こそ問題の深刻さを物語る。 この事を正面から指摘していたのが5月29日の東京新聞の「こちら特報部」 であった。 すなわち幼稚園の所管官庁である文部科学省が、その既得権限を、新しく できる「国民生活省」に手放す事に猛烈に反対し、その意向を受けた文部族議員 の森善朗元首相や町村信孝前官房長らが、河村官房長を通じて麻生首相に圧力を かけたというのだ。 その反対を前に麻生首相はたちどころに前言を翻してしまったのだ。28日の 夜、首相と会談した細田博之幹事長は記者団に、「『正体見たり枯れ尾花』 ですな」、と言ってのけたという。 その事を東京新聞はこう書いている。「そこには、首相への畏怖は微塵も感じ られなかった」。まぎれもなく麻生政権は断末魔にある。 ──────────────────────────────────── 天木直人のメールマガジン 2009年5月29日発行 第202号 発行者:天木直人 著者ブログ: http://www.amakiblog.com/ 読者の皆様からのメールをお待ちしております。このメールマガジンに返信して いただければ、著者まで届きます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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