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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「天木直人メルマガ」 第199号 核をめぐる対北朝鮮外交は対米外交である
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 天木直人のメールマガジン 2009年5月26日発行 第199号  核をめぐる対北朝鮮外交は対米外交である  北朝鮮核実験に関する溢れるようなニュースに目を通してつくづく思う。 北朝鮮の核問題は、つまるところ米国問題であり、核をめぐる対北朝鮮外交 は、とりもなおさず対米外交であるという事だ。  それは、一つには北朝鮮が行動を起している相手は、もっぱら米国である からだ。  すなわち北朝鮮は米国に対し、北朝鮮への敵視政策をやめろ、国交正常化を 実現しろ、そう要求しているのだ。それはまた米国の脅威に対する北朝鮮の 不安の裏返しでもある。  このような北朝鮮に対し、効果的な対応が出来る国は米国しかない。北朝鮮の 核を容認するのも、放棄させるのも、すべては米国の意思で決まる。  北朝鮮の核保有を認めるかわりに、北朝鮮にその凍結、無力化を約束させる、 そういう方針を米国が選べば、米朝の話し合いは動き出す。  それとは正反対に、もはや北朝鮮を相手にした話し合いは無意味だ、と米国が 考え、これ以上北朝鮮が核保有の動きを進める事を認めないという決定を下せば、 イラクで行なったと同様に、金正日総書記の排除や対北朝鮮攻撃を行なう事に なる。米国ならそれもやりかねない。  日本が重視している国連安保理決議なども、つまるところは米国がそのいずれ に軸足を置くかでその内容が左右される。  たとえどのように強い表現で北朝鮮を非難しようとも、効果のない国連安保理 決議は北朝鮮に何の影響も及ぼさない。  他方、北朝鮮に打撃を与えるような実効性のある制裁決議が採択されるのなら、 それは北朝鮮への武力行使をも視野に入れた重大な決断を意味する。  問題はオバマ大統領の米国が、いまだ北朝鮮に対する政策において意思統一が ないと思われることだ。  しかし、米国はいずれ決断を迫られる事になる。そしてそれはオバマ政権の将来 を大きく左右する事になる。  そんな中で日本が行なうべき事は何か。  それは安保理決議に奔走することでも、北朝鮮への制裁強化を叫ぶことでも、 6カ国協議の再開を急ぐ事でもない。  日本の国益にとって何が最善かを見極めた上で、その実現にそって米国の決定 を促す、そういう対米外交努力を行なうことである。  日本にとっての国益とはなにか。それはオバマ政権が、北朝鮮攻撃の道を選ぶ ことではない。北朝鮮の核凍結に向けて米国が北朝鮮と話し合いを始めることで ある。そして日本もまた北朝鮮と話し合いを再開することだ。それしかない。  問題は今の日米関係がそのような強固な関係になっていない事である。日朝関係 があまりにも停滞してしまったことである。 「北朝鮮のミサイルや核を巡って、米軍から事前になんの情報もなかったことは 初めてだ」と、自衛隊幹部は驚きを隠せない、という(5月16日読売)。  藪中三十二外務事務次官は25日の記者会見で「(今までの)日本外交が機能 しなかったという面が結果としてあるかもしれない」と述べ、日本の北朝鮮戦略 が機能していない現実を認めた、という(25日毎日新聞)。  日本外交はこの機会に再出発するほかはない。    

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