□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ 天木直人のメールマガジン 2009年4月27日発行 第163号 □■ ────────────────────────────────── ■ 日本漢字能力検定協会の醜聞事件と文部科学省の責任 もはや過去の問題になりつつあるが、財団法人日本漢字能力検定協会の金銭 スキャンダル事件が連日のように報道されていたのはついこの間のことだった。 あの事件は一体何が問題だったのか。その本質は語られないままだ。 報じられるところでは、公益法人に反して大儲けをしたこと、それを大久保 理事長親子が私物化していたことだ。 さらに言えば、公益法人は原則非課税である、収益事業でも税率は3割だという。 その優遇税制を悪用してカネを溜め込んだり、流用したり、豪邸を買ったりした。 確かに腹立たしい。カネの亡者のごとき大久保親子をかばうつもりはない。 しかし、なぜそんなぼろ儲けが簡単に出来たのか。 そもそも財団法人「日本漢字能力検定協会」とは何なのだ。 そんな財団法人が必要だったのか。 財団法人の認可を受けただけでぼろ儲けができる、そんな漢字検定制度を作った 文部科学省に責任はないのか。 そういう私の疑問に正面から答えてくれる報道は一切なかった。 と思っていたら、4月24日の日刊ゲンダイが見事に答えてくれていた。 ・・・こんな検定に群がった受験者も浅はかだった・・・が、漢字検定協会 の暴走を許した文部科学省の責任も重大だ。 法大教授の尾木直樹氏(教育学)はこう言う。 「漢検バブルは文部科学省のゆとり教育が招いたのです・・・学歴低下批判 に泡を食った遠山文部科学相は、『まなびのすすめ』のお達しを出し、 漢検を推奨した。文部科学省の言いなりの現場は、漢検に飛びついた。高校や 大学の単位認定や受験で漢検資格が評価されるようになったのです。 年間280万人の受験生の8割が、学校や予備校などによる団体受験(という かたち)で漢検の根幹を支えている。行政の後押しがなければ、こうまで漢検が 幅を利かせることはありませんでした。漢字の学習は学校教育の一環で身につけ ればいい類のものです」・・・ その通りだ。そして日刊ゲンダイはさらにこう続けている。 ・・・漢検が履歴書に堂々と記入されるようになり、テレビで漢字クイズが もてはやされるようになったのも、文部科学省が太鼓判を押したからだ・・・ 私が官僚をしていた頃から常に感じていた事だが、官僚は本来行なわなければ ならない困難な仕事を避け、どうでもいい仕事を作り出す。そして予算と権限を 確保することばかりを考える。 これはすべての省庁に共通する現象であるが、三流官庁と揶揄される省庁ほど つまらない仕事を増やす。権限意識に頑固なまでにこだわる。民間に対して権力を 振りかざす。 今回の漢検協会事件に見られるような不適切な状態は、おそらく世の中に山ほど あるに違いない。今回のように表面化しない限り放置され続ける事になる。 私が直感的に思うのは、この日本漢字検定能力協会に文部科学省からの天下り はなかったのか、という事である。 その報道がないところを見ると、天下りはなかったのだろう。「だから漢検は やられたのだ」、「文部科学省の官僚を天下りさせて監視しなければいけない」、 そういう動きが出てこないように監視しなければならない。 これだけ天下り批判が叫ばれていても、そういう動きが出ないとも限らない。 それが官僚なのだ。官僚支配は容易にはなくならない。 ───────── 天木直人のメールマガジン 2009年4月27日発行 第163号 発行者:天木直人 著者ブログ: http://www.amakiblog.com/ 読者の皆様からのメールをお待ちしております。このメールマガジンに返信 していただければ、著者まで届きます。 読者へのお知らせ 関西読売テレビ番組 やしきたかじんの「そこまで言って委員会」は憲法記念日 の5月3日に放映される予定です。

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