Foomii(フーミー)

天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「天木直人メルマガ」 第142号 大騒ぎする割には本当の事を伝えない最近の報道
無料記事

□■□■  【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■  天木直人のメールマガジン 2009年4月12日発行 第142号 □■   ────────────────────────────────── ■    大騒ぎする割には本当の事を伝えない最近の報道 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  大騒ぎする割には本当の事を伝えない。伝えても政府側に不利になる事は 小さく報道する。目立たない形でごまかそうとする。この傾向が最近の報道に とくに目立つような気がする。  だから、新聞の見出しだけを見て知ったつもりになると、とんだ誤解を おかす事になる。我々は報道を問題意識を持って注意して読まなければならない。 デスクの思惑と戦いながら読まなければならない。  その教訓を、北朝鮮非難決議をめぐる一連の報道を例にとって見ることに しよう。  麻生首相はタイでの温家宝中国首相との会談の後で、「大変お待たせして 申し訳ない。北朝鮮ミサイルの話で中国側と長い話になったもんですから」 (4月12日毎日新聞)、と勿体をつけて記者会見に臨んだという。  その上で、「日本としては(強制力のある安保理)決議が望ましいが、 強い内容が確保され、国際社会が一致して迅速にメッセージが出せるのであれば 形式に固執する必要はない」と記者団に明言した(4月12日朝日)、 という。    この事を4月12日の産経新聞などは一面でとりあげ、「名」捨て「実」  首相粘る、という見出しで大きく報じている。  しかしこれには二つの大きなウソがある。ウソというのが言い過ぎなら、 ごまかし、誤誘導の作為がある  議長声明への妥協を麻生首相が決めたのは、温家宝首相を説得した(粘った) にもかかわらず、成功しなかったからではない。  その前にすでに米国が「効果のない決議より、中身のある議長声明を目指す 方針に転換」(4月12日東京)し、日本側にこれ以上安保理決議に固執するな と引導を渡していたからだ。  温家宝首相との会談は、「中国の意向は米国から説明を受けてはいるが、 温家宝首相からじかに確認」(同東京)してみただけ(政府筋)なのだ。 もっと言えば、麻生首相が温家宝首相に強く迫ったというアリバイを作って みせただけなのだ。  より深刻なウソ(それが言い過ぎなら誤解を招く報道と言い換えてもいい)は、 「拘束力のない議長声明を受け入れた見返りに、日本側の主張する厳しい内容が 受け入れられることになった」と言わんばかりの報道ぶりである。  その一方で、どのような議長声明案がニューヨークの国連代表者間で話し 合われているかの報道は殆どない。  そう思って探してみたらいくつかの小さな記事が目にとまった。  その一つは、「米国にはしごを外され・・・決議断念に追い込まれた上、 議長声明も甘い中身になれば、世論の批判を浴びかねない・・・」、「日本と 中国には中身においても大きな隔たりがある」、という4月12日東京新聞の 記事である。  二つ目は、「議長声明案は米国と中国がとりまとめを主導し、既に英仏ロも 大筋同意した、という日経新聞の記事である。  極めつけはその日経新聞が報じている「調整中の議長声明案」という小さな 囲み記事である。現在安保理メンバー間で協議されている議長声明案は 米中が主導して作成されたもので、その中には「ミサイルを発射した」という 表現がどこにも使われていないという。ただ「発射を非難する」としている だけだという。  我々は、早ければ週明けの13日にも合意される北朝鮮非難に関する 議長声明がどのような内容のものに終わるのか、注目しなければならない。  日本のメディアがこれをどう報道するかを厳しく監視する必要がある。  「外交の麻生」の正体が明らかになるのはもうすぐである。    ─────────  天木直人のメールマガジン 2009年4月12日発行 第142号  発行者:天木直人  著者ブログ: http://www.amakiblog.com/  読者の皆様からのメールをお待ちしております。このメールマガジンに返信 していただければ、著者まで届きます。  

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2026年のバックナンバー

2025年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

2019年のバックナンバー

2018年のバックナンバー

2017年のバックナンバー

2016年のバックナンバー

2015年のバックナンバー

2014年のバックナンバー

2013年のバックナンバー

2012年のバックナンバー

2011年のバックナンバー

2010年のバックナンバー

2009年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2026年10月19日に利用を開始した場合、2026年10月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2026年11月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する