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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「天木直人メルマガ」 第0109号 小沢一郎の真価が問われる
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 天木直人のメールマガジン  ─反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説  2009年3月19日発行 第0109号  小沢一郎の真価が問われる  3月24日に大久保秘書の拘留期限が終わり起訴される(16日のメルマガ 第0106号で拘留期限が23日に終わると書いたのは24日の誤りでした。 お詫びして訂正します)。  それにともなって小沢一郎は民主党代表を辞任する。これはもはや与野党関係者 やメディアの暗黙の了解である。私もそう思う。  問題はその後の政局の帰趨である。これについては誰も分からない。だから 3月24日を境に小沢報道は再び大きく動き出す。マンネリになった小沢報道が、 あらたな展開を見せ始める。  そうなる前に、小沢事件の本質について、私の考えをあらためてここで強調 しておきたい。  小沢事件については、この事件が起きた3月3日のメルマガ「緊急メッセージ、 小沢民主党代表に告ぐ」以来、私は何度も書いてきた。警告を発信してきた。  その小沢代表に対する私のメッセージも今回のメルマガでとりあえず終わりに しようと思う。だから少し長くなるが、読者には我慢をお願いしたい。  なぜ私が今度の小沢事件にこれほどまでに強い関心と危惧の念を持つのか。 それは一言で言えば今度の事件の結末いかんによっては、「この国の権力構造が 変わるかも知れない」という期待が打ち砕かれてしまうと思うからだ。このまま 「小沢民主党」が敗北することは、長く暗い日本が続く事になる。決してそう させてはならない、と強く思うからだ。  戦後一貫して続いてきたこの国の権力構造を変えることは容易ではない。それは 大袈裟に言えば日本国民がはじめて経験する民主革命とも呼べる一大事件である。 だから、小沢一郎でもそれを行なう事は容易ではない。それよりもなによりも、 そもそも小沢一郎なる政治家がそれを意図しているか、それに値する政治家である か、という疑念がある。  しかし、私を含め、この国の権力構造を一度根本的に変えてみたい、そうする ことしか日本の将来はない、と考えている国民側からみれば、今の政治家でそれが できるのは小沢一郎しかいないのだ。  自民党旧田中派の中枢にいた小沢一郎がカネに綺麗な政治家であるなどと思う 国民はいない。権力志向の小沢一郎が本気になって弱者のための政治を行なおうと しているのかは不明だ。対米従属を批判する一方で日米同盟重視を繰り返す 小沢一郎の安保・外交政策はあまりにも矛盾に満ちている。ついこの間まで 大連立を画策しようとしていた小沢一郎が、この国の権力構造を変えようとして いるかどうかは疑わしい。  このようなあらゆる疑問や、不透明さを承知した上で、それでもこの国の権力 構造を変える事のできる政治家は小沢一郎しかいない、そして小沢一郎は今と なっては自らを変えたのではないか、変えざるをえないのではないか、国民のため にこの国の権力構造を主客逆転させようとする覚悟を決めたのではないか。そう いう前提で私は議論を進めている。  私がかぎかっこ付きで「小沢民主党」と呼び続けるのは、そのような小沢の衣鉢 を継ぐ民主党であると意味である。すなわち「この国の権力構造を本気で変える 覚悟を持った政治家の集まりである民主党」という意味である。  繰り返して言う。小沢一郎でもこの国の権力構造を変えられる保証はない。 しかし小沢なき民主党では、たとえ政権交代が実現しても、この国の権力構造を 変える事は100%無理なのだ。勿論日本共産党や社民党ではこの国の権力構造 を変える事などはじめから出来はしない。  だからこそ、今度の事件を起した者たちの最大の目的は、小沢排除であったのだ。 小沢一郎の政治生命を奪ってしまえば、後は政権交代が起きようが、政界再編が 行なわれようが、誰がこの国の指導者になろうが、そんな事はどうでもいいこと なのだ。この国の権力構造は微動だにしないのである。 「小沢民主党」が変えようとする権力構造とは何か。それは自公政権とそれを 支える官僚組織、警察、検察、マスコミ、財界、そしてその権力構造に満足して いる国民である。その背後には日本を自らの国益の為に使えるだけ使おうとする 米国がある。  今度の事件の背景に米国の影響があったかどうかは私にはわからない。たとえ あったとしても証拠をつかまれるようなドジな真似をもはや今の日米関係者が 犯すはずはない。米国にとって重要な事は日本国民にそのような疑いを抱かせる 存在であり続ければいいだけなのだ。  3月24日に代表辞任に追い込まれる事が必至の小沢一郎は、これからの一週間 をどう行動すればいいのか。これがこのメルマガの核心部分である。願わくば これが小沢一郎の耳に入る事を願う。そして小沢一郎がその考えに賛同する事を 期待する。  「小沢民主党」が反転攻勢できる唯一の道は、相手が想像できないほどの大胆な 行動を見せるということだ。  それはまず、小沢自身が、自らを捨てても国民を守るという覚悟を固めること である。それは民主党代表を潔く捨てるという事だけにとどまらない。これを きっかけに政治家を辞めるということだ。若い世代に日本を託すと宣言すること だ。こうする事によって小泉とか麻生とか森とか青木とかといった政治家は もとより、安倍晋三や中川昭一なども道ずれにできる。  その覚悟を持って民主党を「小沢民主党」で固めることだ。菅、鳩山、輿石は もとより岡田、野田、前原、仙石などを集めて、自らの覚悟を披露し、岡田党首 の下で「小沢民主党」による政権交代を目指すという事を取りつけておくことだ。 それを3月24日までに済ませておく事だ。これは小沢院政を敷く事ではない。 政治を引退する小沢の置き土産である。小沢の遺志なのだ。  できれば主要マニフェストについて纏め上げ、3月24日にそれを公表する ことだ。それに欠かせないのが官僚支配の打破である。徹底した公務員改革である。 今日の報道でも見られるように自公政権では公務員改革はできない。小泉改革の 信奉者である渡辺喜美では公務員改革はできない。「小沢民主党」のみが真の 公務員制度改革ができるのだ。そして公務員制度改革は待ったなしだ。これが 出来なければ日本の将来はない。国民もそう思っている。  あらゆる企業、組織からの政治献金禁止もこの際断固としてマニフェストに 掲げるのだ。「企業献金まみれの小沢がいまさら何を」という批判がある。その 批判を正面から受けて立つのだ。一番多く献金を受けていた自分だからそうする のだ。その弊害を一番強く反省するからこそそれを誰よりも強く打ち出すのだ。 180度考えを改めたのだ、自分は変わったのだ、文句があるか。反論できるか、 と堂々と言えばいいのだ。  小沢一郎の命運は一人小沢一郎の命運だけではない。政権政党の議員になり たいと願う民主党議員の命運がかかっているだけでもない。  その命運は、これまでの日本の権力構造の属さない、それゆえにそれら権力構造 の埒外に置かれて来た、善良で、弱い、多くの日本国民の命運でもあるのだ。  小沢事件の見所は、その自覚を小沢一郎が24日までに持てるかどうかに かかっている。   

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